事業再構築補助金で採択後に費用の変更は可能?条件や手続き方法を解説!

※本記事は第5回公募分までの情報です。第6回公募分以降、大幅な変更が加わる可能性がありますのでご注意ください。

みなさんこんにちは。

事業再構築補助金は中小企業がコロナ禍を乗り切るために事業転換や業態転換を行う際、事業再構築に必要な費用を補助してくれる強力な後押しとなる補助金です。
事業再構築にかかる費用の3分の2を補助し、1社当たり100万円~1億円を給付してくれます。

ただし、補助金額が大きい分、

「採択された後に補助金額の変更はできるの?」

「変更のデメリットや必要な手続きは何?」

といった点が気になっている事業者の方も多いかと思います。

そこで今回は、事業再構築補助金の申請後における費用変更についてお伝えしたいと思います。

【結論】事業再構築補助金では採択後の「費用の変更」はできる!一方、条件はある

いきなり結論ですが、事業再構築補助金においては採択後に費用の変更を行うことは可能です。

令和4年1月に事業再構築補助金事務局が公表した【補助事業の手引き】によれば、

やむを得ず補助事業の計画、購入する機械設備、補助事業実施場所、経費配分等に変更が生じる場合等は、
予め計画変更の承認を受けなければなりません。

事業再構築補助金事務局「補助事業の手引き」(2022年1月)より引用

とあります。

つまり、計画承認の承認を受けることができれば、事業実施にかかわる費用の変更も可能、ということです。

ただし、変更の承認がなされなかった場合には、当然費用の変更を行うことも出来ません。

以前弊社にて事務局に電話確認したところ、

「変更は必ず認められるとは限らないため、出来るだけ事業計画書作成の時点で精緻化しておいた方が良い」

との返答をいただきました。(2021年6月時点)

費用の変更手続きありきで事業計画書を作成するのは仮に変更できなかった場合にリスクを伴うことにもつながるため注意しましょう。

具体的にはどのような場合に計画変更となるのか

計画変更(費用の変更を含む)の場合には承認が必要、と上述しましたが、
それでは、具体的にどのような場合に計画の変更となるのでしょうか。

事業再構築補助金の交付規程では以下のように定義されています。(第三次補正予算時点)
下記(1)~(7)の場合に計画の変更承認が必要となります。

(計画変更の承認等)
第12条 補助事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、あらかじめ様式第3-1、様式
第3-2又は様式第3-3のいずれかによる承認申請書を中小機構に提出し、その承認を受けな
ければならない。
(1)補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更しようとするとき。ただし、各配分額の1
0パーセント以内の流用増減を除く。

(2)交付申請時に補助事業により取得するとしていた主な資産(単価50万円(税抜)以上の
建物、機械装置・システム等)を変更しようとするとき。
(3)補助事業の内容を変更しようとするとき。ただし、次に掲げる軽微な変更を除く。
 (ア)補助目的に変更をもたらすものではなく、かつ、補助事業者の自由な創意により、より
能率的な補助目的達成に資するものと考えられる場合
 (イ)補助目的及び事業能率に関係がない事業計画の細部の変更である場合
(4)補助事業の全部若しくは一部を中止し、又は廃止しようとするとき。
(5)補助事業の実施場所を変更するとき。
(6)補助事業の全部又は一部を他に承継させようとするとき。
(7)破産手続き、民事再生手続き等法的整理の手続きを行うとき(代理人による申請を含む。)。

中小企業整備機構「令和二年度第三次補正中小企業等事業再構築促進補助金交付規程」(令和3年6月)より引用

いくつか例外があります(上記黄色ハイライト部分)ので、次の章で補足します。

例外① 「10パーセント以内の流用増減」は計画変更に”該当しない”

補助対象経費の区分ごとに配分された額を変更(流用)する場合は、
流用元・流用先の双方の補助対象経費の金額の低い経費の10%以内の(変更)流用増減は、申請不要です。

例えば、以下のような場合が想定できます。(※分かりやすくするため、話を単純化しています)

  • 販売管理費30百万円のうち、社内の人件費で10百万円、外注費で20百万円の費用計画を立てていた。
  • 社内人材確保が困難となり、一部の業務を外注に回すことにした。
  • その時、人件費が▲0.5百万円減の9.5百万円、外注費が+0.5百万円増の20.5百万円となった。

上記の例の場合、金額の低い経費である人件費は10百万円➡9.5百万円(=▲5%の流用減少)であり、10%以内の流用増減となります。

ただし、実績報告時には、10%以内の流用増減であってもその履歴を提示する必要があるため、注意が必要です。

例外② 「軽微な変更」は計画変更に”該当しない”

上述のとおり、補助事業の内容を変更する際は変更承認が必要です。

ただし、それが軽微な変更の場合は除きます。交付規定では次の2点を軽微な変更とみなしています。
(ア)補助目的に変更をもたらすものではなく、かつ、補助事業者の自由な創意により、より
能率的な補助目的達成に資するものと考えられる場合
(イ)補助目的及び事業能率に関係がない事業計画の細部の変更である場合

正直抽象的すぎて参考になりませんよね・・・

そのため、弊社が支援する事業者さまには、軽微な変更かどうかを安易に自己判断せず必ず事務局に相談することをお勧めしています

第6回公募以降は、もう少し具体的な基準が出てくると良いのですが、あまり期待せずに出来るだけ精緻な事業計画書を作成することを心がけましょう。

申請の方法は、必要書類を事務局に提出!

計画変更に該当する場合は指定の書式を記載して事務局に提出する必要があります。

とりわけ、費用変更にかかわる書式には2種類あります。それは、「様式第3-1補助事業計画変更(等)承認申請書」「様式第3-1の別紙(新旧対比表)」です。

様式第3-1補助事業計画変更(等)承認申請書は以下のような書式となっています。
費用の変更だけでなく、場所の変更等その他の変更にも共通の書式です。

令和二年度第三次補正中小企業等事業再構築促進補助金交付規程より引用

次に、様式第3-1の別紙(新旧対比表)です。
こちらの書式に具体的な変更前と変更後の費用を記入します。

まとめ

本日のまとめ

  1. 事業再構築補助金では、採択後も費用の変更が可能。ただし、承認が必要な場合もある
  2. 10パーセント以下の流用増減、および軽微な変更であれば計画変更は不要だが、安易に自己判断せず事務局に相談するのがベター
  3. 費用変更を当てにせず、採択前の段階から精緻な事業計画書(費用計画)を策定しておくのが王道

いかがだったでしょうか。今回は、事業再構築補助金の採択後の費用変更について解説しました。

公募にあたっては今回の内容を頭に入れた上で直近の公募要領を読み込むことが重要です。

事業再構築補助金はその名のとおり事業拡大・再構築の大きなチャンスですので、ぜひともチャレンジを検討してみてくださいね!

「公募要領や申請方法が難しくて分からない・・・」、「どんな事業計画書を書けば良いのか分からない」、「一度プロに相談してみたい」といった方はぜひ弊社のサービスを利用してみてください

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