【初心者入門編】中小企業のDXにはノーコード開発がおすすめ!AppSheet(アップシート)でできること徹底解説

皆さんこんにちは。

本日は「AppSheet」という、プログラミング知識がなくても簡単に業務アプリを作成できるノーコード開発ツールをご紹介します。

特に中小企業にとっては、大規模なシステム開発に頼らずに、業務効率化や自動化を実現できるため、DXの強い味方になります。

本記事では、AppSheetが提供する主な機能と活用事例を通して、その利便性を詳しくご紹介します。

また、当社ではAppsheetを含むGoogleのDX活用サポートサービスを提供しています。
Appsheetの無料相談も受け付けておりますので、興味のある方は気軽にお問い合わせください。

中小企業が直面するDXの課題と、その解決策

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉がビジネスシーンで頻繁に聞かれるようになりました。

DXとは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを革新し、企業全体の競争力を強化する取り組みを指します。

しかし、中小企業にとっては、大企業と比べてITリソースや予算が限られているため、DXの推進は容易ではありません。実際に、DXの取組状況を会社規模別にみると、規模の小さな会社ほど、DXには取り組めていないことが分かります。※下記アンケート結果参照

  • 従業員規模 101 人以上で「既に実施済」+「取組みを検討中」は66.2%。
  • 一方、従業員規模 20 人以下では「既に実施済」+「取組みを検討中」 16.7%に留まる。
中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)」

中小企業がDXで直面する主な課題

中小企業基盤整備機構の調査によると、中小企業がDX推進において最も大きな課題と感じているのは、ITやDXに関する専門知識を持った人材の不足です。

具体的には、回答者の約28%が「ITに関わる人材が足りない」と回答しており、合わせて「DX推進に関わる人材が足りない」という回答も約27%と、ITやDXに関わる人材不足が全体の半数以上を占めるという結果が出ています。

次に大きな課題として挙げられるのが予算の確保です。
約25%の企業が、大規模なシステム導入などに伴う多額の費用が課題だと回答しています。

中小企業がDXを推進する上で、人材不足と予算の制約が大きな壁となっているということが、この調査結果からもよく分かりますね。

中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)」

ノーコード開発ツールが解決策

上記のような課題を抱える中小企業にとって、ノーコード開発ツールは救世主となるかもしれません。

ノーコード開発ツールとは、プログラミングの知識がなくても、視覚的な操作でアプリケーションを開発できるツールです。

中でも、AppSheet(アップシート)は、Googleスプレッドシートなどのデータを活用して、簡単に業務アプリを作成できるため、中小企業のDXを加速させる強力なツールとして近年注目されています。

AppSheetとは?

AppSheetは、プログラミング不要で業務アプリを作成できるノーコードツールです。

Google Cloudのサービスの一つであるため、Google カレンダーやスプレッドシートなどとの連携もスムーズに行えます。アイデアとデータが揃えば、誰でもマウス操作だけで、オリジナルのアプリをつくることができます。


AppSheetでできること

Appsheetでできることを下記にまとめてみました。

  • プログラミング不要で業務アプリを作成可能
  • 業務プロセスの自動化
  • パソコン、モバイル、タブレットに対応
  • 関数を使って細かな設計も可能
  • Google Workspaceやクラウドサービスとの連携

プログラミング不要で業務アプリを作成可能

プログラミングの知識がなくても、視覚的な操作でアプリ開発が可能という点がAppSheetの最大の魅力です。

ドラッグ&ドロップの直観的な操作で、入力フォームやダッシュボードビューなどを作成できます。
テンプレートやAIによるデータ読み取り機能を活用すれば、さらに簡単にアプリ開発が可能であり、ITに詳しくないユーザーでも直感的に操作できます。

また、AIが搭載されており、インプットするデータの内容や形から、自動である程度最初からアプリのビューが生成されます。これをうまく使えば、データさえそろっていれば10分程度でアプリを開発・デプロイすることが可能です。

業務プロセスの自動化

AppSheetのオートメーション機能を活用することで、トリガーを設定し、特定の条件下で自動的にアクションを実行できます。

例えば、在庫数が一定以下になると自動で発注する、といったような業務を自動化することができます。さらに、承認プロセスメール通知といった複雑なワークフローも自動化することが可能であり、業務の効率化をより一層推進します。

また、従業員が日々行うデータ入力や収集についてもスマートフォンの力を使って、GPS位置情報、写真、図形描画、バーコードスキャン、文字認識など、より価値のあるデータを追加することができます。データ収集を自動化することで、プロセスを効率化し、従業員の時間を節約して、データ品質を改善します。

パソコン、モバイル、タブレットに対応

AppSheetで作成したアプリは、スマートフォンやタブレットで利用できます。アプリは自動でレスポンシブ対応するため、デバイスの画面サイズに合わせて表示が最適化されます。

これにより、場所を選ばずに業務を行うことができ、外出先でのデータ入力や確認、承認作業など、モバイル端末を活用した様々な業務に活用できます。

「PC、タブレット、スマホのそれぞれの画像横並び」

関数による高度な設定

AppSheetでは、Googleスプレッドシートに似た関数を使って、より詳細な条件設定や計算を行うことができます。データ抽出、フィルタリング、条件分岐など、様々な関数を活用することで、より高度な業務アプリを作成することができます。

以下に、代表的な関数の例と、それらの用途について説明します。

■条件分岐
・IF関数: 特定の条件が満たされた場合に、異なる値を返す。
 例:在庫数が0以下の場合に「品切れ」と表示する
・SWITCH関数: 複数の条件を評価し、それに応じて異なる値を返す。
 例:製品の種類によって表示する画面を切り替える
■データ抽出
・SELECT関数: データソースから特定の条件に合うレコードを抽出する。
 例:特定の顧客の注文履歴を表示する
・FILTER関数: 条件に合致する行をフィルタリングして新しいテーブルを作成する。
 例:未処理のタスク一覧を表示する
■画面遷移
・LINKTOROW関数: 別のビューや詳細画面に遷移するリンクを作成する。
 例:顧客一覧から個々の顧客の詳細画面に遷移する
■計算・文字列操作
・COUNT関数: データの数を数える。
 例:未処理のタスク数をカウントする
・SUM関数: データの合計を計算する。
 例:売上合計を計算する
・AVERAGE関数: データの平均値を計算する。
 例:製品の平均単価を計算する
・CONCATENATE関数: 文字列を連結する。
 例:氏名と部署名を結合して表示する

Google Workspaceやクラウドサービスとの連携

AppSheetはGoogle スプレッドシートやGoogle Drive、Googleカレンダーなど、Google Workspaceのサービスとシームレスに連携可能です。

例えば、Googleカレンダーと連携して、スケジュール管理アプリを作成したり、Googleドライブと連携して、所定の場所にファイルを格納したりアプリ経由で見積書を確認することができます。

また、API連携を使えば、LINEやSalesforceなど外部のクラウドサービスとの連携も可能となり、本格的な業務に役立つアプリを作成できます。

AppSheetでできないこと:細かなデザインのカスタマイズは苦手

AppSheetは、ノーコードで簡単にアプリを作成できるツールですが、全てが完璧というわけではありません。特に、細かなデザインのカスタマイズに関しては、スクラッチでの開発に比べると制限があることを理解しておく必要があります。

AppSheetでできないこと】

【ピクセルレベルでのデザイン】 AppSheetは、一般的なスクラッチでのWebアプリケーション開発と比較して、ピクセル単位での細かいデザイン調整が難しいです。デザインテンプレートは用意されていますが、完全に自由なレイアウトを組むことは困難です。「このボタンをここに置きたい」などもパターンはいくつかあるものの、希望に沿えない場合もあります。
【高度なアニメーション】複雑でスムーズなアニメーションもAppSheetの得意とするところではありません。

Appsheetは「社外に公開する前提のおしゃれなデザインのアプリ」よりも、「実務に重きを置いた、デザインはそこそこの、使いやすい社内向け業務アプリ」を作成するのに向いているということですね。

AppSheetの活用事例

AppSheetは、さまざまな業務に適したアプリをノーコードで簡単に作成できるため、業務効率化に役立ちます。ここでは、実際にAppSheetを活用してどのような業務アプリを作成できるのか、事例をご紹介します。

1. タスク管理アプリ

AppSheetでは、単なるタスクの羅列だけでなく、プロジェクト全体の進捗状況を可視化し、チームメンバー間の連携を強化するタスク管理アプリを作ることができます。想定される主な機能は下記の通りです。

  • リアルタイムな進捗状況の共有: 各タスクの進捗状況をリアルタイムで共有し、チーム全体でプロジェクトを推進
  • 柔軟なワークフロー設定: タスクの進捗に応じて自動的に次のステップへ移行するなど、柔軟なワークフローを設定
  • 通知機能: 期限が近いタスクや、重要な変更があった場合に、プッシュ通知でメンバーにお知らせ

2. シフト作成・管理アプリ

シフト作成から勤怠管理まで、シフトに関するあらゆる業務を自動化し、人件費の最適化を実現する機能を実装できます。

  • AIによるシフト自動作成: 従業員のスキルや希望、過去のシフトデータなどを基に、AIが最適なシフトを作成します。
  • モバイルで簡単勤怠管理: 従業員はスマートフォンで簡単に勤怠を記録でき、管理者はリアルタイムで勤怠状況を確認できます。
  • 残業管理とアラート: 残業時間が一定時間を超えた場合にアラートを発信し、過労防止に貢献します。
  • シフト交換の申請・承認ワークフロー: 従業員同士のシフト交換をスムーズに行うためのワークフローを構築できます。

3. 在庫管理アプリ

単なる在庫数の管理だけでなく、発注の自動化や在庫の最適化まで、幅広い機能を実装可能です。

  • バーコードスキャンによる入出庫管理: バーコードスキャン機能を利用して、入出庫作業を迅速化し、ヒューマンエラーを防止
  • 在庫予測と発注の自動化: 過去の販売実績に基づいて在庫を予測し、最適な発注量を算出
  • ロット管理とトレーサビリティ: 商品のロット番号を管理し、万が一の場合でも迅速な原因究明が可能
  • 在庫状況の可視化: グラフやチャートで在庫状況を可視化し、経営判断をサポート
  • 自動通知・発注:設定した在庫量を下回った場合、自動でプッシュ通知や先方へのメール発注が可能

その他の活用事例

その他にもアイデア次第で様々なアプリを形にすることができます!
興味のある方は一度触ってみましょう!

  • 顧客管理: 顧客情報の管理、営業活動の支援、顧客満足度向上
  • 営業支援: 営業訪問記録、見積書作成、受注管理、売上実績管理
  • アンケート調査: 顧客満足度調査、市場調査
  • 資産管理: 会社の資産(パソコン、備品など)の管理
  • 安全管理: 安全点検記録、事故報告
  • 生徒管理: 学生情報管理、成績管理、出席管理

AppSheetの使い方:基本の開発ステップ

AppSheetを使ったアプリ作成は、わずか3ステップで可能です。まずはデータソースを準備し、自動生成されたアプリをカスタマイズ。最後に公開し、利用を開始できます。

ステップ0:アカウント作成とログイン

まずは、AppSheetの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成しましょう。Googleアカウントがあれば簡単にアカウントを作成できます。アカウント作成後、ログインして、アプリ作成の画面に進みます。

ステップ1:データの準備と取り込み

AppSheetでアプリを作成する最初のステップは、データの準備です。すでにGoogleスプレッドシートで管理しているデータがあれば、それをそのまま利用できます。

  • データの接続: GoogleスプレッドシートのファイルをAppSheetに接続します。Appsheetの新規作成から作成するパターンと、スプレッドシートのAppsheet作成から作成するパターンの2つがあります。
  • データの関連付け: 複数のシートにまたがるデータを関連付けることも可能です。

ステップ2:アプリの自動生成

データの接続が完了したら、AppSheetが自動的にアプリのひな型を生成します。この初期状態のアプリは、基本的な機能が備わっており、すぐに利用できます。ただ、ここから本当に「使える」アプリにするにはステップ3のカスタマイズが必須となります。

ステップ3:アプリのカスタマイズ

自動生成されたアプリを、さらに業務に最適化するために、カスタマイズを行います。

  • フィールドの追加・削除: データベースに新しいフィールドを追加したり、不要なフィールドを削除したりできます。
  • 計算式の設定: データに基づいて計算を行い、結果を表示させることができます。
  • レイアウトのカスタマイズ: 画面のデザインを自由に変更できます。例えば、各フィールドの配置を変えたり、色やフォントを変更したりすることができます。
  • 機能の追加: ボタン、グラフ、検索機能など、必要な機能を追加できます。例えば、「承認ボタン」を追加して、申請処理を自動化したり、「グラフ」を追加して、データを視覚的に表示したりすることができます。
  • ワークフローの設定: 業務フローに合わせて、データの入力順序や承認プロセスなどを設定できます。

ステップ4:アプリの公開と共有

カスタマイズが完了したら、アプリを公開し、チームメンバーと共有します。

  • アプリの公開: 作成したアプリを、Webブラウザやモバイルアプリで利用できるように公開します。
  • 共有設定: 特定のユーザーやグループとアプリを共有できます。
  • モバイルアプリの配布: iOSやAndroid用のモバイルアプリを作成し、配布することも可能です。

AppSheetの料金プラン

AppSheetの利用料金は、ユーザー数と機能によって異なります。

無料プラン

AppSheetでは、以下に当てはまる場合、永久に無料プランを利用できます。

  • アプリの使用目的が個人使用であり、ビジネス用ではない
  • 自分だけが唯一のアプリユーザーである
  • 無料アカウントでサポートされていない機能を使用しない
    (Automationを使用してメールを送信、ファイルを作成、サインインによるユーザー認証等)

無料プランでもアプリのプロトタイプ開発は可能なので、使い心地を確かめるためにまずは無料プランを使ってみるのも良いかもしれません。

有料プラン:GoogleWorkspaceを利用している場合は無料

有料プランには、Starter、Core、Enterprise Plusの3つがあります。
なんとGoogle Workspaceを契約している場合は、AppSheetのCoreプランを追加料金なしで利用できます!

スクロールできます
Starter
(スターター)
Core
(コア)
EnterprizePlus
(エンタープライズプラス)
料金
( 1ユーザーあたり)
5米ドル/月10米ドル/月
殆どのGoogleWorkspaceのプランに付帯
20米ドル/月
基本アプリと
自動化機能
高度なアプリと
自動化機能
スプレッドシートや
クラウドストレージへの接続
Appsheetデータベース
高度なデータへの接続
(APIやBigクエリ)
基本のセキュリティ
高度なセキュリティ
チーム管理、ガバナンス制御
機械学習モデリング
メールカスタマーサポート
優先カスタマーサポート

まとめ:AppSheetでできることを活用して業務効率化を実現

プログラミング不要で、業務アプリを簡単に作成できるAppSheetは、業務効率化を目指す中小企業に最適です。
また、多くの中小企業が使用しているGoogleWorkspaceに無料付帯しているという点も利用のハードルを下げているようです。

是非この機会にAppSheetの活用を検討してみましょう!

当社ではAppsheetを含むGoogleのDX活用サポートサービスを提供しています。
Appsheetの無料相談も受け付けておりますので、興味のある方は気軽にお問い合わせくださいね。

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