【Google活用事例】FAX注文をGoogleフォームで一本化。顧客の利便性向上と売上確保を両立したシンプルな方法。

こんにちは。中小企業の経営改善を支援している株式会社サクモフです。

今回は、業務効率化の手法として、Googleの標準機能を活用した一例をご紹介します。

今回ご支援したのは、学校などを主なお客様として、教育現場で使われる様々なOA用品を卸しておられる有限会社湯谷文昌堂様(京都市北区)です。

当社ではGoogleを活用したDX支援サービスを提供しています。
無料相談も受け付けておりますので、興味のある方は気軽にお問い合わせください。

導入前の課題:FAX注文による顧客の利便性低下

同社と直接取引をしている中学・高校の事務室の方は、これまで複数の会社のカタログを見ながら、欲しい商品を紙の注文書に手書きし、FAXを送っていました。

学校ではセキュリティの関係上、会員ログインができないことも多く、FAXでの発注を余儀なくされている状況でした。

この従来の方法には、2つの大きな課題がありました。

一つは、顧客側の「注文の手間がかかること」です。カタログごとに異なる注文書を用意して手書きで記入したり、 事務室には複合機がないことが多く、離れた職員室にある複合機まで注文書を持って行かなければならなかったり、事務職員にとって発注業務が大きな負担となっていました。

そしてもう一つが、湯谷文昌堂さま側の「売上の機会損失」です。 お客様は複数の販売店のカタログを持っており、同じ商品でも他社の注文書を使って、競合の販売店にFAXを送ってしまうケースがありました。

これにより、本来であれば湯谷文昌堂様が受けられたはずの注文を逃してしまう心配を常に抱えていたのです。

解決策:Googleフォームを活用した「デジタル注文窓口」の一本化

そこで私たちは、専用の発注システムを新たに開発するのではなく、多くの人が使い慣れているGoogleの標準機能「Googleフォーム」の活用をご提案しました。

目指したのは、どの会社のカタログの商品であっても、お客様がたった一つのフォームから注文を完結できる「デジタル注文窓口」を設けることです。

主な仕組み

具体的な仕組みは非常にシンプルです。

【構成図】

①フォーム注文で、入力負荷を減らす

私たちが作成したGoogleフォームのURLをお客様に共有。

お客様はそのURLにアクセスし、フォームに沿って「基本情報」「カタログ名」「品番」「数量」などを入力して送信するだけで注文が完了します。ログイン不要で利用できるのがうれしいポイントです。

フォーム画面

注文データを自動で蓄積・管理

送られた注文内容は、湯谷文昌堂さまにメールで届くと同時に、Googleスプレッドシートに自動でリストになって記録されていきます。また、回答の概要はGoogleフォームの管理画面で確認することもできます。

左:スプレッドシートを確認する湯谷さん、右:Googleフォームの回答概要画面

③「確認メール」による丁寧なフォロー

品番の手入力による間違いを防ぐため、フォームからの注文後、お客様には注文内容を記載したサンクスメールを自動で送る設定を組み込みました。これにより、お客様自身でも間違いに気づきやすくなり、発注プロセスの品質向上に繋がります。

確認メール

Googleフォームとは?

Googleフォームは、無料で使えるアンケート作成ツールです。作ったフォームの回答は自動でGoogleスプレッドシートにまとまり、PCやスマホなどいろいろな端末から利用できます。

導入後の効果:FAXの手間から解放され、売上機会もUP

上記の仕組みを導入したことで、学校側(顧客)と湯谷文昌堂さまの双方にメリットが生まれました。

学校側はこれまでのように、わざわざFAXまで行ったり、カタログごとに注文書を使い分けたりする必要がなくなり、ご自身のPCやスマートフォンからいつでも手軽に注文できるようになりました。

湯谷文昌堂さま側は、注文窓口が一本化されたことで、これまで取りこぼしていた可能性のあった売上を確実に確保できるようになりました。また、注文データが自動でデジタル化・蓄積されるため、注文の管理が簡単になりました。

今後の展望としても、商品別・顧客別・期間別の売上分析や、学校以外の見積もり依頼や問い合わせなど、様々な用途に活用できる拡張性があることもお伝えしました。

湯谷文昌堂さまからのコメント

長年、FAXでの注文が当たり前になっていましたが、お客様である先生方が職員室から離れた場所まで行かなければならず、ご不便をおかけしていることがずっと気になっていました。

今回の仕組みを導入したことで、お客様からは「PCやスマホから簡単に注文できて楽になった」という嬉しい声を直接いただいています。

何より、これまで把握しきれなかった注文も、私たちの窓口で確実に受けられるようになったのが大きいですね。

まとめ・所感

今回の事例は、多くの企業で見られるアナログな業務を、身近なツールで解決した好例です。
成功のポイントをまとめてみました。

DX成功のポイント

1,身近なツールで小さく始める
Googleフォームのような多くの人が使い慣れた標準的なツールでも、アイデアと工夫次第で大きな業務改善が可能です。

2,顧客と自社の双方のメリットを考える
お客様の利便性向上(手間削減)を追求することが、結果として自社の効率化や売上確保というメリットにも直結しました。

大規模なIT投資を行う前に、まずは身の回りにあるツールで何ができるかを考えてみませんか?

株式会社サクモフでは、こうしたスモールスタートのDX支援を得意としています。「自社のこの業務も、もしかしたら?」と感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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