【ISO9001】ISO担当者必見!ISO9001の具体的な取得の流れについて、中小企業診断士が解説!
皆様、こんにちは。
ISO9001の取得を検討されている事業者の方、担当者の方の中には、
「ISO9001取得に興味があるけど、どこから手を付けて良いか分からない・・・」
「まずは全体の流れを把握しておきたい」
といった思いをお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで、今回のブログでは【ISO9001の具体的な取得の流れ】について解説します。
ISO9001の取得には、マニュアルの作成・運用・審査など、数多くのステップがありますが、
まずは全体の流れをきちんと把握しておくことがスムーズな取得につながりますよ!
目次
ISO9001とは
ISO9001は、顧客に提供する製品やサービスの品質を保証し、顧客の満足を得るための組織の活動に関する品質マネジメントシステムの国際資格です。
マネジメントシステム規格の中で最も普及しており、全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用しています。
ISO9001では、次の2点を実現するための品質マネジメントシステムの要求事項を定めています。
- 一貫した製品・サービスの提供
- 顧客満足の向上
また、ISO9001の認証を取得することで得られる効果は以下の通りです。
- 業務効率の改善や組織体制の強化
- 法令順守(コンプライアンス)の推進
- 仕事の見える化による業務継承の円滑化
- KPI(キーパフォーマンス指標)の管理
- リスクマネジメント
- 継続的な改善による企業価値の向上
- 海外企業を含む取引要件の達成
- 品質保証による社会的信頼や顧客満足の向上
実際にISO9001を取得することで、①一貫した製品・サービスの提供、②顧客満足の向上といった実践的なメリットの実現のほか、
認証取得による、企業や製品・サービスに対して社会的な信頼を獲得できるのも大きな特徴です。
ISO9001取得の流れ
ISO9001を取得するためには、自社で品質マネジメントシステムを構築し運用を開始した後、ISO審査機関より2回の審査を受け合格する必要があります。
具体的には下記のステップを踏むのが一般的です。
- ISO9001取得までのスケジュールを立てる
- マニュアル(品質マネジメントシステム)を構築する
- 審査の申し込みをする
- 審査を受ける
- 認証取得
ISO9001取得までのスケジュールを立てる
ISO9001の認証をいつまでに取得したいか(=取得希望時期)から逆算して取得スケジュールを決定します。
各タスクの大まかなリードタイムを考慮することで、いつから着手すべきかが見えてきます。
例えば、下記のようなイメージです。※実際にはもっと具体的なタスクに落とします。
【ISO9001認証取得のスケジュール】
認証取得 12月
↓ リードタイム:約1か月
二次審査 11月
↓ リードタイム:約1か月
一次審査 10月
↓ リードタイム:0.5か月
申し込み・契約 9月~10月
↓ リードタイム:0.5か月
審査機関選定・申込 8月~9月
↓ リードタイム:1か月
内部監査・マネジメントレビュー 8月
↓ リードタイム:1か月
マニュアルの実運用・管理 7月
↓ リードタイム:2か月
品質マネジメントシステムの要求事項に基づくマニュアルの構築 5月
上記では、12月にISO9001の認証取得を目指したい場合、マニュアル作成は5月に着手する必要があることが分かりました。
もちろん、必要なリードタイムは各事業者の社内調整の方法や資料の整備状況にも大きく左右されますが、
ある程度スケジュールの目標を立てておくことで、社内で「ISO9001を本当に取るんだ」という雰囲気を醸成することが出来ます。
ISO9001は担当者レベルが”自分事”として継続的に運用していかなければ意味がありませんので、
構築段階からある程度自走していくことが非常に重要です。
弊社では、業者丸投げのISO取得サービスとは異なり、担当者さまが”自走”できるような伴走支援型ISO9001取得コンサルティングを提供しておりますので、興味のある方はぜひ下記のサービス頁をご覧くださいね!↓
マニュアル(品質マネジメントシステム)を構築する
まずは、ISO9001の社内関係者で、ISO9001で定められている品質マネジメントシステムの要求事項の確認・理解を行います。
次に、マニュアルを作成する前に、品質方針と品質目標を設定しましょう。
品質方針とは、自社の製品・サービスの品質に対する最上位理念を定義したものです。
品質目標とは、品質方針を達成するための年度別目標のようなものです。
方針・目標を先に定義しておくことで、構築する品質マネジメントシステムのスコープが明確となり、
作成時や運用時(PDCAを回す時)に迷わなくなります。
反対に、迷ったり社内の議論が上手く進まなかったりしたときは、今回定義した品質方針・品質目標に立ち返るようにすると良いでしょう。
ある程度内容の理解ができ、方針・目標を設定できたら、いよいよマニュアルの構築を行います。
その際のポイントは「求められている要求事項を自社のルールや基準、マニュアルと照らしながら不足している部分を中心に作成すること」です。
例えば、インターネット上に落ちている他社フォーマットをそのまま使ったり、ISO取得代行業者に言われるがままマニュアルをいくつも策定してしまうと、そもそも不要なマニュアルを守らなければいけなくなり、PDCAが上手く回りません。
ISO9001を運用する
マニュアルの構築が完了すれば、次は運用してみましょう。
ISO9001の運用では、マニュアルに基づいてPDCAサイクルを実施します。
PDCAサイクルの実施とは、マニュアルに基づき、実際に業務を実施し、必要な記録を残し、出来ていない業務を改善していくことです。
必要に応じて文書(メール・ワード・エクセル・紙など)で記録を残すようにしましょう。
また、実運用に加えて必要となるのが、内部監査・マネジメントレビューです。
【内部監査の概要】
上記マニュアルおよびその運用状況について、社内で決定した監査担当者が監査し、内部監査の報告書を社内に残します。
報告書として、必要な情報としては、実施日、監査員、作成者、監査対象部署、項目ごとの審査結果(問題なし・指摘有、及びその詳細)等です。
【マネジメントレビューの概要】
トップマネジメントに対して各部門の責任者が内部監査の結果や目標達成状況を報告する場を設けます。
開催の形式は社内で決定して問題ありませんが、実施後は、必ず議事録を残しておくようにしましょう。
審査の申し込みをする
運用が一定完了したところで、ISO9001審査機関への申し込みを行います。
審査機関は一つでなく、審査資格をもった民間の団体が実施します。
審査機関によって金額や進め方に違いがありますので、数社程度見積もりを取り、信頼できる審査機関に申し込みを行うと良いでしょう。
審査を受ける
取得するにあたっては一次審査と二次審査の2回の審査が必要です。
【一次審査】
一次審査では、マニュアルや補足資料などの文書・記録を中心に審査されます。
ISO9001の要求事項を満たしていないと判断されると、改善・指摘事項が入りますので、期限内に対応する必要があります。
当日の大まかな流れとしては、審査前会議(概要説明等)➡トップマネジメントインタビュー➡審査➡審査結果のまとめ➡審査後会議(審査結果の説明)といった感じです。事前に審査機関から当日のスケジュールをいただけますので、必ず目を通すようにします。
【二次審査】
二次審査では、文書・記録だけでなく、マニュアルが形骸化していないか、実際に業務を見ながら厳しく審査されます。
とはいえ、作成したマニュアルに基づききちんと運用していればそこまで恐れる必要はありません。
一次審査同様、指摘事項のある場合は対応する必要があります。
認証取得
上記審査後、認証が下りれば、ISO9001の認証取得となります!
登録番号が審査機関より付与され、ホームページや名刺上でロゴマークの使用が可能となります。
まとめ
本日のまとめ
- ISO9001取得の流れは以下のとおり
- ISO9001取得までのスケジュールを立てる
- マニュアル(品質マネジメントシステム)を構築する
- 審査の申し込みをする
- 審査を受ける
- 認証取得
いかがだったでしょうか。
本日はISO9001の具体的な取得の流れについて解説しました。ただし、業務工数の兼ね合いや人的リソースの不足、ノウハウの不足等によりどうしても自社単独での取得が難しい場合もあるかもしれません。
「要求事項が難しくて分からない・・・」、「どのような基準で審査機関を選定すれば良いか分からない」、「一度プロに相談してみたい」といった方はぜひ弊社のサービスを利用してみてください。
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