【コンサルタントが教える資料作成ノウハウ】質とスピードを両立!パワーポイントで資料を作成する時の王道ステップとは?
本記事では、「パワーポイントで資料を作成したいけど正しい方法が分からない」「いつも手戻りが多く時間がかかるわりに上司から詰められる」といった悩みを抱える方に向けて、パワーポイント資料作成の効率を上げ、質を高めるための王道ステップを解説します。
ぜひ参考にして、実践してみてください。
ちなみに当社でも経営人材が貴社の資料作成や従業員のスキルを社内に入り込んで改善するコンサルティングサービスを提供していますので、興味があれば気軽にお問い合わせくださいね。
目次
パワーポイント資料作成の王道ステップとは?
効率よく分かりやすい資料を作成するには、適切な手順を踏むことが何よりも重要です。
以下の手順に沿って資料作成を進めることで、質とスピードを両立することができます。
- 資料の目的とターゲットを考える:目的やターゲットが明確になれば、作成のスケジュールやどの程度作りこむべきかが自ずと決まります。
- スライドの構成・目次を考える:まずは資料の骨組みとして、目次を作成します。文字ベースで構わないので、資料やスライドの大まかな流れを決めましょう。
- 伝えたいメッセージ(キーメッセージ)を考える:それぞれのスライドで最も伝えたいこと(キーメッセージ)を吟味します。ここが資料作成において、「肝」と言っても過言ではありません。
- キーメッセージを支えるサブメッセージを考える:キーメッセージを補強する理由付けや説明(サブメッセージ)を考えます。いきなりパワーポイントを触るのではなく、まずは文字ベースで内容を練り上げることが重要です。
- スライドデザインを考える:スライドごとのキーメッセージとサブメッセージを明確にしたら、次はそれを視覚的に表現するためのデザイン(グラフや図表の構成)を考えます。
- 細かな体裁を整える:最後に誤脱や細かな色合いを調整します。トンマナを揃えるとも言います。
その他、パワーポイントでの資料作成時のTipsを紹介していますので、興味のある方は下記をご覧ください!
王道ステップ1.資料の目的とターゲットを考える
資料は、作ることそのものが目的ではありません。
資料作成の第一歩は、「何のために、誰向けに作るのか」を明確にすることです。
何のため: チーム内会議のため、経営会議のため、新サービス提案のため
誰に向けて: 社内担当者、上司、経営層、顧客、投資家
目的やターゲットが明確になれば、作成のスケジュールやどの程度作りこむべきかが自ずと決まります。
例えば、新商品開発のプロジェクトの中で資料を作成する場合を考えてみましょう。
担当者レベルが参加する会議の場合は、「スライドのデザインはさておき、具体的な商品の中身や今後のスケジュールについて文章レベルで良いのですり合わせられる資料をサクッと作ろう」となるでしょうし、
部長クラスや役員が参加する経営会議向けに新商品の企画を説明するのであれば、「論理が破綻しないように資料構成をある程度時間をかけて考え、各種データの裏も取っておこう」となり、
(いわゆる昔ながらの日本企業の場合は、見栄えにも必要以上に気を配らないといけないかもしれません…)
投資家やVCに向け、商品開発の資金調達を依頼したい場合は、「商品イメージが一発で分かるように、内容はもちろん、デザインにも力を入れた資料を作りこもう」となるかと思います。
王道ステップ2.スライドの構成・目次を考える
目的やターゲットが決まったらいよいよ資料作成に着手します。
まずは資料の骨組みとして、目次を作成します。
文字ベースで構わないので、資料やスライドの大まかな流れを決めましょう。
例えば、資料作成セミナー用のスライドを作成する場合は下記のようになります。
王道ステップ3.伝えたいメッセージ(キーメッセージ)を考える
目次が決まったら、それぞれのスライドで最も伝えたいこと(キーメッセージ)を吟味します。
ここが資料作成において、「肝」と言っても過言ではありません。
先にキーメッセージを考えるべき理由
「このスライドって何を言いたいの?」と上司や顧客に指摘された経験はありませんか?
それは、キーメッセージを考えずに、感覚的に図や表を挿入してしまった結果かもしれません。
スライドの見た目を優先すると、本来伝えるべき内容が曖昧になるリスクがあります。
パワーポイントでの資料作成時には必ずキーメッセージ(中身)を先に考えることで、下記のような効果が得られます。
- 論理的な資料作成ができる: スライドごとの目的が明確になり、流れに一貫性が生まれます。
- 修正が容易になる: キーメッセージが明確なら、不要な情報や論理のズレを早期に発見できます。
- スピードアップ: キーメッセージが指針となり、余計な手戻りを防げます。
キーメッセージ例
実際のキーメッセージ例を見てみます。
キーメッセージは、そのスライドで最も言いたいことを1つ選び、短い言葉で表現します。
「XX事業の投資を最優先すべき」
「顧客満足度の課題を解決すべき」
「キャリアを考える上では、ロジックツリーが重要である」
ここまで作ると、パワーポイント上では「目次」と「キーメッセージ」のみのシンプルなスライドができています。この段階でスライドの構成や流れを吟味しましょう。画像では、赤字部分がキーメッセージとなります。
王道ステップ4.キーメッセージを支えるサブメッセージを考える
キーメッセージに沿って、スライドの「ボディ」を作成する段階です。
ここでは、いきなりパワーポイントを触るのではなく、まずは文字ベースで内容を練り上げることが重要です。
サブメッセージは、キーメッセージを補強する理由付けや説明のことを指します。
スライドごとに何を補足し、どのように説明するかを明確にすることで、資料全体の説得力が格段に向上します。
サブメッセージ例
例えば、キーメッセージに基づき、下記のようなサブメッセージを考えることができそうです。
キーメッセージ: 「キャリアを考える上では、ロジックツリーが重要である」
→ サブメッセージ: 「ロジックツリーは複雑な課題を構造的に整理する手法であり、意思決定の明確化に役立つ」
キーメッセージ: 「直近売上が好調のため、XX事業に注力すべし」
→ サブメッセージ: 「商品ごとの売上推移を見ると、XX事業が最も売上を伸ばしており、他事業を圧倒している」
ここまで作ればプレゼン可能!
正直、サブメッセージまで完成していれば、資料のストーリーやメッセージは論理的に整った状態です。この段階でも十分にプレゼンが可能ですが、社外向けや視覚的な分かりやすさを求める場合は、次の「デザインや見た目」のプロセスに進みましょう。
言語化が最も重要なプロセスであることを忘れないようにしてください。
王道ステップ5.スライドデザインを考える
スライドごとのキーメッセージとサブメッセージを明確にしたら、次はそれを視覚的に表現するためのデザイン(グラフや図表の構成)を考えます。
例えば、以下のように考えてみてください。
- 商品ごとの売上推移を示す場合:積み上げ棒グラフを使用して、各商品の売上の割合を視覚化。
- 原因と結果を示す場合:スライドの左側に原因を書き、矢印(⇒)で右側の結果を指すデザインで表現。
いきなりパワポで作らず、ラフスケッチを描く
ここで重要なのは、最初からパワーポイントで細部を作りこもうとしないことです。まずは手書きやメモツールを使ってラフスケッチを作成しましょう。
なぜラフスケッチが重要なのか?
いきなりパワポを触ると、文字サイズや色などの細部に気を取られてしまい、全体の構成が疎かになることがあります。ラフスケッチを作成することで、スライド全体の流れや構成を俯瞰できます。
おすすめのプロセス
1、イメージを明確にする:紙やホワイトボードで、スライドの構成をざっくり描く。
(下記画像のように、ざっくりで構いません。)
※ラフスケッチを上司や同僚に共有し、「こんなイメージで進めます」と確認を取るのも、手戻りを減らす有効な方法です。
2、デザインをスライドに反映する:スケッチに基づいて、パワポで具体的な作業を始める。
デザインは決まっているのであまり悩まずに手を動かすことができますね。
慣れてくるとデザインを考えながら作成作業も同時に進められるようになりますが、特に初心者のうちは、考えることと手を動かす作業を分けることをお勧めします。
よく使う図表やグラフ
良く使う図表、グラフを紹介します。
■全体スキーム図
ビジネスモデルや業務の流れを説明する時などによく使います。ヒト・モノ・カネ・コトといった対象をボックスで描き、その関係性を矢印などで図解します。
また、何か現状と今後の姿を比較したい時は、横に並べることでbefore、afterが分かりやすくなりますね。
■体制図・組織図
プロジェクトや社内体制において、部署やメンバーの役割や位置づけを可視化する時に有効です。
■ポジショニングマップ
ポジショニングマップは、縦軸と横軸で基準を設け(機能とコスト、重要度と緊急度など)、自社・競合他社の商品やサービスをあてはめることで、要素間の位置付けを明確にできる図です。市場調査やマーケティング関連の資料で使う場合があるかもしれません。
■写真
百聞は一見に如かず。
写真を挿入することで、文章だけでは伝わりにくいイメージを一発で受け手に伝えることが出来ます。
ただし、画像が重すぎるとパワーポイントのファイルが開きにくくなってしまうため、必要に応じて圧縮やトリミングをしましょう。
■クロスSWOT分析
企業の強み・弱み・機会・脅威に関する分析に用います。例えば、市場調査やマーケティング、新規事業の創出などで使います。
■比較表
商品やサービス、事業、会社など、あらゆるものを比較する時に使える図表です。
やみくもに使わず、まずは比較軸(機能、コスト等)を整理するようにしましょう。
■グラフ
自社の財務状況や競合他社のシェア、参入事業の市場規模等、会社の資料にはあらゆる場面で数字が登場します。
そのまま文章中に含めたり、表で示しても良いのですが、可能な限り適切なグラフで数字を可視化することで、より伝えたいメッセージを強調出来ます。
例えば、%や指数などのポイントの時系列比較の場合は、折れ線グラフを使います。
また、推移の特徴や傾向について触れる場合は、矢印等を用いて該当箇所を強調すると伝わりやすいです。
売上高や市場規模といった実数について時系列比較を行う場合は縦棒グラフが向いています。
また、時系列以外でも複数項目を比較する場合は、縦棒グラフを使いましょう。例えば製品や企業別の売上高等の比較に向いています。
折れ線グラフと同様、グラフの特徴や傾向について触れる場合は、矢印や強調色を用いて該当箇所を目立たせましょう。
同じ項目比較でも項目名が長い場合は横棒グラフが向いています。
縦棒グラフだと項目名が長くて途切れてしまう場合等は横棒グラフを使いましょう。
王道ステップ6.細かな体裁を整える
ここまでやって最後に誤脱や細かな色合いを調整します。
トンマナを揃えるとも言います。例えば、私の場合は完成前に下記をチェックします。
- 図表や文字の色:他のスライドと使われている色合いは揃っているか。
- フォント/フォントサイズ:他のスライドと文字フォントの種類や大きさは揃っているか。
- 誤脱:文章中に誤脱はないか、句読点の有無、ですます調・である調は揃っているか。
- 出所:図表や数字、データの出所は示されているか。
- 単語の表記揺れ:同じ意味の単語を複数の言い回しで書いていないか。
あくまでこの作業は最後の仕上げであり、資料作成の本質は「何を言いたいか」を考えることだと忘れないでくださいね。
まとめ:資料作成は外部のコンサルタントを活用するのもあり
いかがだったでしょうか。この記事では、パワーポイント資料作成の王道ステップを紹介しました。
この記事の内容を少しでも実際の資料作成に活かすことで、少しずつ資料の質とスピードが向上していきます。
とはいっても、「なかなか最初の方は自社だけでは難しい」「時間がない」「人手が足りない」という方もいると思います。そんな時は、一旦外部のコンサルタントを業務委託などの形で活用するのも一つの手です。
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