【コンサルタントが教える資料作成ノウハウ】一つのスライドに執着するな!会社員がパワーポイントで資料作成する時のポイント6選!
パワーポイントで資料作成をする機会は多いものの、作成スピードが上がらない、上司に何度もダメ出しされる、といった悩みを抱える方は少なくありません。
また、中小企業の経営者でも、VC・株主・銀行など、さまざまなステークホルダーに向けた資料を自身で作るという方は多いと思います。
本記事では、資料作成の効率を上げ、質を高めるために気を付けるべき6つのポイントを解説します。
ぜひ参考にして、実践してみてください。
ちなみに当社でも、社内の資料作成について「社長の右腕人材」がサポートしていますので、自社だけで難しい場合はお気軽に相談ください。
目次
パワーポイントでの資料作成で覚えておきたいポイント
パワーポイントでの資料作成のスキルを向上させるために意識したいポイントは以下の6つです。
- まずは正しい資料作成の手順を知ろう
- 細かな見た目より全体のストーリーやキーメッセージを優先しよう
- 上司のレビューを資料の質とスピードを上げるための絶好の機会と捉えよう
- 他の社員や会社の良い資料をパクろう
- 過去の資料を使いまわして時短しよう
- 最低限のショートカットを覚えて時短しよう
まずは正しい資料作成の手順を知ろう
効率よく分かりやすい資料を作成するには、適切な手順を踏むことが何よりも重要です。
以下の手順に沿って資料作成を進めることで、質とスピードを両立することができます。
- 資料の目的とターゲットを考える:目的やターゲットが明確になれば、作成のスケジュールやどの程度作りこむべきかが自ずと決まります。
- スライドの構成・目次を考える:まずは資料の骨組みとして、目次を作成します。文字ベースで構わないので、資料やスライドの大まかな流れを決めましょう。
- 伝えたいメッセージ(キーメッセージ)を考える:それぞれのスライドで最も伝えたいこと(キーメッセージ)を吟味します。ここが資料作成において、「肝」と言っても過言ではありません。
- キーメッセージを支えるサブメッセージを考える:キーメッセージを補強する理由付けや説明(サブメッセージ)を考えます。いきなりパワーポイントを触るのではなく、まずは文字ベースで内容を練り上げることが重要です。
- スライドデザインを考える:スライドごとのキーメッセージとサブメッセージを明確にしたら、次はそれを視覚的に表現するためのデザイン(グラフや図表の構成)を考えます。
- 細かな体裁を整える:最後に誤脱や細かな色合いを調整します。トンマナを揃えるとも言います。
ちなみに、1~6までの資料作成の具体的な手順については、以下の記事で解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
見栄えより全体のストーリーやキーメッセージを優先しよう
資料作成において最も大切なのは、「何を伝えるか=内容」を考えることです。
個々のスライドのデザインや見た目にこだわりすぎると、全体のストーリーやキーメッセージがおろそかになったり、そもそも時間がかかりすぎて資料が完成しない恐れもあります。
逆に言えば、ストーリーやキーメッセージが明確であれば、スライドのデザインや配色は後回しでも問題ありません。
(優先度が低いというだけで、不要というわけではないことに注意してください。)
新人コンサルタントによくある話ですが、徹夜で一枚のスライドを完璧に作り込んだものの、翌日上司に見せたら「このスライド、そもそも必要だったっけ?」と言われてしまう……なんてことがあります。(はい、過去の私のことです。笑)
そのため、資料作成の手順でも触れたとおり、デザインや細かな見た目は、スライド全体の流れが完成した後にこだわるようにしましょう。
上司のレビューを資料の質とスピードを上げるための絶好の機会と捉えよう
「この資料、どうなってる?」と上司に聞かれ、「あ、まだです…」と答えて怒られた経験、ありませんか?
私もあります…。
上司のレビューが怖い、苦手という方は少なくありませんが、実はこれをうまく活用すれば、資料の質と作成スピードを大幅に向上させることができます。以下に、レビューを効果的に活用するポイントを解説します。
ポイント1: 資料作成の重要ステージでレビューを受ける
資料作成の重要なステージで上司のレビューを受けることで、上司の期待する成果物を具体的に把握しつつ、方向性のズレを防ぎます。また、後戻り作業を減らし、効率的に資料を仕上げられるようになります。
資料作成の重要なステージ、とは具体的には以下のようなタイミングです。
- 資料作成の指示を受けた段階: 目的やターゲットを確認。
- 目次やキーメッセージを作成した段階: 全体の論理構成を確認。
- サブメッセージを作成した段階: 内容の補足や説得力を確認。
- スライドイメージを手書きでドラフトした段階: デザインなどの視覚的表現を確認。
例えば、目次とキーメッセージができた段階でレビューを受けることで、構成や内容の抜け漏れ、不要な情報を事前に修正できます。
また、スライドイメージのラフスケッチを書いたら、ずれの内容に上司に「こんなイメージですが」と見せると、パワポでの作業の手戻りが少なくなります。
特に慣れないうちは、こまめにレビューを受けることがスムーズな資料作成の鍵です。
ポイント2: レビュータイミングを「自ら」計画し、上司と共有する
資料作成の各ステージでレビューを受けることが重要ですが、それにはあらかじめスケジュールを立てて、先んじて上司と共有しておきましょう。こうすることで、以下メリットがあります。
- 上司のスケジュールを抑えられる: 忙しい上司もレビューの時間を確保しやすいです。
- 「進捗どうなってる?」の口出しを防ぐ: 上司の横やりが無ければ、腰を据えて作業ができます。
- 自分でコントロールできる: 作業計画が明確になり、達成感につながります。
- 上司が安心する: 進捗状況が可視化され、信頼感を得られます。
- 自分を追い込める: 明確な締め切りを設けることで、集中力を高められます。
もしレビューのタイミングまでに完成できていなくても問題ありません。
重要なのは進捗を明確に伝えることです。
「ここまでできていて、今後こう進めます」と説明すれば、上司の不安を解消できます。
上司が詰めてくるのは、進捗が全く見えないときがほとんどです。
レビューを活用することで得られるもの
上司のレビューを怖いものと思わず、質やスピードを高めるためのパートナーであると考えて前のめりに活用しましょう。資料作成は個人作業ではなく、チームで成果を出すためのプロセスです。
繰り返しになりますが、レビューを上手く活用することは良いことだらけです。
- 資料の質の向上: 上司の経験や視点を活かして、資料の完成度がアップする。
- 作業スピードの向上: 方向性が早めに定まり、手戻りが減ることで効率アップする。
- 信頼関係の構築: レビューを通じた積極的なコミュニケーションが、上司に信頼感を与える。
他の人の良いと思った資料をパクろう
普通「パクる」「マネする」というのは、どちらかというとネガティブなことだと考えられがちですが、ビジネスの現場では違います。
資料の整理やデザインのアイデアは、他の社員や会社の優れた資料を参考にするのが近道です。
インターネット上でも優れたスライドデザインが公開されています。
経産省の「委託調査報告書」は特におすすめで、大手コンサルティングファームや調査会社が作った質の高いスライドが多く、論点の整理の仕方やデザインなど参考になるものばかりです。
資料づくりに迷った際には、ぜひ一度目を通してみてください。
今回は委託調査報告書からいくつか、構成やデザインの参考になりそうなスライドを引用します。
パクりたいスライド例:ステップやスケジュール
色と番号だけで視覚的に公表タイミングの違いを表した好例です。
スライドの左と右で情報を整理する手法は、かなり汎用性が高く初心者にもおすすめです。
パクりたいスライド例:全体像ポンチ絵
ブロックと矢印を用いて上手く取り組みの前後関係や位置づけを表しています。
また、左から右に視線が自然に流れるように設計されているところや、強調色を一色に抑えているところも見る側への配慮を感じます。
パクりたいスライド例:グラフ
折れ線グラフを上下に並べており、各時系列での比較がしやすくなっています。
2つの年度を左右に並べ、さらに斜め下方向への矢印を足すことで排出量が「減少している」ことが視覚的に分かるように工夫されています。
する調査)
パクりたいスライド例:事例紹介
他社事例などで良く見るレイアウトです。
する調査)
パクりたいスライド例:課題と解決策
左に課題、右に解決策、というのは王道のパターンなので覚えましょう。
その他にも、原因と結果、施策と効果など、before/afterの関係であればことごとくこのパターンで表すことができます。
する調査)
なお、他社や他の人が作成した資料を参考にする場合は、データや機密情報に注意しつつ、効果的な構成や見せ方を取り入れましょう。
過去の資料を使いまわして時短しよう
過去に作成した資料は、効率よく高品質な資料を作成するための「宝の山」です。
過去の資料を活用することで、新たなデザインや表現を一から考える必要がなくなり、資料の作成スピードや完成度を一定以上に保つことができます。
資料作成のプロである経営コンサルタントも、「この資料、以前使ったスライドを少し修正すれば十分かも」といったケースはよくあります。
特に時間に追われる案件では、大幅な時短が可能ですので、まずは過去資料を参考にできないかを考えてみましょう。
日頃から、自分の作成した資料を整理・保存しておくことで、あらゆるパターンの資料作成に対応できるようになります。
最低限のショートカットを覚えて時短しよう
ところで、資料作成は、大きく2つのフェーズに大別できます。
それは、「思考」と「作業」です。このうち、「思考」が資料作成の肝と言っても過言ではありません。
しかし、いくら良いアイデアや論理構成を考えても、それをスライドなどでアウトプットできなければ意味がありません。
「作業」を正確に早くできるようになることで、「思考」に多くの時間をかけられるようになり、産み出す資料の質も上がります。
ショートカットを覚えることは時短だけでなく、操作時のストレスを軽減し、少しでも心地よく資料作成に向き合えることにつながります。
今回は、そんな「作業」の時間を少しでも短縮するために、普段私が良く使うショートカットをご紹介します。
【基本】
せめてここまでは使いこなしたいところです。
- Ctrl + C/X/V 【選択した文字や図表、スライドをコピー/切り取り/貼り付け】
- Ctrl + Shift + C/V【選択した書式をコピー/貼り付け】
- Ctrl + D【選択したオブジェクトを、コピー&貼り付け】
- Ctrl + Z/Y 【元の操作を戻す/直前の操作を繰り返す】
- Ctrl + S 【上書き保存】
- Ctrl + A 【全選択】
- Ctrl + G【選択したオブジェクトをグループ化】
- Ctrl + Shift + G【選択したグループのグループ化を解除】
- Shift + F5スライドショー【(開いているページから)】
【マウス操作】
- Shift + マウス移動【オブジェクトを垂直/水平に動かす】
- Shift + Ctrl + マウス移動【オブジェクトを複製した上で垂直/水平に動かす】
【文字列操作】
テキストボックス内の操作です。
- Ctrl + L/E/R【テキストを左/中央/右揃え】
- Ctrl + B【文字を太字にする】
- Ctrl + Shift + > /<【文字の大きさ調整 大/小 】
【オブジェクトの位置揃え】
少し慣れが必要ですが、ここまで使いこなせば作業スピードが相当上がります。
- Alt + H + G + A
- + L/R/T/B【複数のオブジェクトを左/右/上/下に位置揃え】
- + M【複数のオブジェクトを上下中央に位置揃え】
- + C【複数のオブジェクトを左右中央に位置揃え】
- + H【複数のオブジェクトを左右に整列】
- + V【複数のオブジェクトを上下に整列】
下記はショートカット前後のオブジェクトのイメージです。
ショートカットはまだまだたくさんあるのですが、何よりも「普段のこの作業ってショートカットで出来ないかな?」と考えることが重要です。ググれば大体あります。自分オリジナルのショートカット集をつくりましょう。
まとめ:資料作成は外部のコンサルタントを活用するのもあり
上記のポイントを押さえながら、実際の資料作りに活かすことで、少しずつ資料の質とスピードは向上していきます。
ただ、それでも「時間がない」「人手が足りない」「すぐにクオリティを上げたい」といった悩みを抱えている方もいらっしゃると思います。
そんな場合は、外部のコンサルタントを活用するのも一つの方法です。
当社でも、資料作成の代行や既存資料のレビュー、従業員向けの資料作成スキル研修などを行う「社長の右腕派遣」サービスを提供しています。資料作成に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
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