【中級者向け】Google Workspaceでデータ漏洩を防ぐ!DLP機能の活用法と設定方法を解説(Enterprise以上のエディションで対応)
みなさん、こんにちは。
データ漏洩は、企業にとって信頼や財務に大きなダメージを与えるリスクの一つです。このデータ漏洩リスクをどのようにして防ぐか悩まれている経営者の方も多いかと思います。
Googleが適用するクラウドサービスGoogle Workspaceでは、データ漏洩防止(DLP)機能を活用して、機密情報の不正な共有や漏洩を自動的に検知・防止することが可能です。※Enterprise以上のエディションのみ対応
本記事では、DLP機能の概要、活用メリット、Google Workspaceでの設定方法について詳しく解説します。データ保護の強化を検討中の方はぜひ参考にしてください。
なお、弊社ではGoogle Workspaceを活用した社内のDX化支援を行っています。
Google Workspaceを活用した社内業務の効率化について、一度プロに相談してみたい方は、ぜひ弊社のサービスをご利用ください。
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目次
データ漏洩防止(DLP)機能とは
データ漏洩防止(DLP)機能は、組織外部への機密情報の流出を防ぐための重要なセキュリティ機能です。
メール誤送信を防ぐための有効な解決策として、デジタル庁の資料でも提示されています。
この機能を使うことで、従業員が意図せず重要な情報を外部に共有してしまうケースや、悪意のある情報漏洩を未然に防ぐことができます。
具体的な機能
- 自動検知とブロック
機密情報(例:個人識別情報、クレジットカード情報など)が含まれたメールやファイルが外部に送信されそうな場合、DLPルールに基づいて自動でブロックします。 - カスタマイズ可能なルール
組織のポリシーに沿ったルールを設定し、特定のキーワードやパターン(例:16桁のクレジットカード番号)をトリガーにアクションを実行できます。
なお、Google Workspaceでは、DLP機能は、エンタープライズ以上のエディションでのみ利用可能となっています。導入を検討される場合は、ご留意ください。
データ漏洩防止(DLP)機能のメリット
Google Workspaceのデータ漏洩防止(DLP)機能は、企業の情報セキュリティを強化しながら、業務効率を向上させるために設計されています。
このDLP機能を活用することで得られる具体的なメリットを以下に詳しく解説します。
誤送信やヒューマンエラーの防止
企業内でのメールやファイルの誤送信は、データ漏洩の大きな原因のひとつです。
従業員が誤って社外に機密情報を送信しようとした場合、DLP機能が自動で検知し、ブロックしてくれるため、ヒューマンエラーによる情報漏洩リスクを大幅に削減できます。
具体例:
- 顧客リストや財務データなどの重要ファイルの外部送信を防ぐ
- 特定の機密情報(例:契約書やNDA)が含まれるファイルの送付を検知してアラートを送る
機密情報の漏洩を未然に防ぐ
DLP機能は、個人識別情報(PII)、クレジットカード情報、健康関連情報(PHI)などの特定のパターンを識別し、それらを含むデータが外部に送信されるのを自動的に防ぎます。
これにより、意図しない情報漏洩だけでなく、悪意のある従業員による情報持ち出しも阻止できます。
具体例:
- 従業員が個人情報を含むメールを外部のアドレスに送信しようとした際にブロック
- クレジットカード情報や社会保険番号の誤送信を防止
法令や規制への対応をサポート
GDPR(一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)、日本の個人情報保護法など、多くの国や地域で企業に求められるデータ保護法に準拠するための仕組みを提供します。
DLPルールを設定しておけば、組織が必要な規制要件を満たしやすくなります。
具体例:
- GDPR準拠のため、EU居住者の個人データを外部に送信しないように設定
- 日本の個人情報保護法に基づき、個人情報が含まれるメール送信を管理
セキュリティ運用の効率化
DLP機能を活用すると、セキュリティ管理者が一つひとつの送信内容を手動でチェックする必要がなくなります。
自動化されたルールにより、監視の負担を軽減し、時間とコストを節約できます。
具体例:
- 特定のデータパターンを含むメール送信を自動で監視
- 管理者が確認すべきケースを絞り込み、対応が迅速化
データ漏洩防止(DLP)機能の設定方法
Google WorkspaceのDLP機能は、管理コンソールから以下の手順で設定できます。
1.Google管理コンソールにログイン
GWSの管理者アカウントでGoogle管理コンソールにログインします。
2.「ルール」セクションを開く
管理コンソール左側のメニューから「ルール」を選択します。
3.DLPルールの作成画面を開く
「ルールを作成」>「データの保護」を選択し、DLPルールの作成画面を開きます。
4.DLPルールを設定・適用する
DLPルールは以下①〜⑤の流れで設定・適用します。
①名前とスコープ:DLPルールの「名前」と「説明」を付け、 ルールを適用する対象(組織、ドメイン名)を指定する
②アプリ:DLPルールを適用するアプリを「Google Chat」「Googleドライブ」「Gmail」「Chrome」から選択する※複数アプリの選択も可能
③条件:DLPルールの具体的なスキャン条件を設定する
例えば、以下のような設定が想定される
- 顧客リストの送信を防止したい場合:「顧客リスト」というテキストが入ったコンテンツを検出するよう設定
- クレジットカード情報の外部送信を防止したい場合:「16桁のクレジットカード番号」パターンを検出するよう設定
④操作:上記③の条件を満たした場合に行う処理を選択する。
選択できる処理には「外部共有をブロック」「外部との共有を警告する」「コメント投稿者と閲覧者に対して、ダウンロード、印刷、コピーを無効にする」「ドライブラベルの適用」などがある
⑤確認:作成したDLPルールの内容を確認したうえで「作成」ボタンを押すとルールが適用され、指定した条件に基づいてDLP機能が動作する
※「無効」を選択した場合、ルール自体は作成されるが適用はされない、後から有効化可能
※設定の反映には最大で24時間かかる場合がある
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はDLP機能の概要、活用メリット、Google Workspaceでの設定方法について詳しく解説しました。
Google Workspaceのデータ漏洩防止(DLP)機能は、機密情報を保護し、誤送信や不正な共有を防ぐための強力なツールです。この機能を活用することで、企業のセキュリティレベルを大幅に向上させることができます。
Enterprise以上のエディションを利用している企業では、DLP機能を積極的に導入し、安心・安全な情報共有環境を構築しましょう。まだ導入していない方はぜひお試しください!
社内のDX化に関して「自社では対応できない」と感じた場合は、専門家から支援を受けるのもおすすめです。
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