【DX推進】中小企業は知っておくべき!経済産業省が行うDX推進施策をご紹介!デジタル人材の定義は?デジタル投資は融資に有利ってホント?
ここ数年、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をよく聞くようになりました。
さらに、国も中小企業のDX推進を積極的に支援しており、経済産業省はDX推進に役立つさまざまな施策を打ち出しています。しかし、どこから始めたら良いのか、何を活用すれば良いのか、悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、中小企業の経営者の皆様にぜひ知っておいていただきたい経済産業省のDX施策について解説します。自社のDXに取り組むための第一歩を踏み出すために、ぜひ参考にしてみてください。
なお、当社では中小企業向けに現場の業務改善とDX推進を支援するサービスを提供しています。
DX推進に関する無料相談も承っておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
経産省では、DXを「企業がデジタル技術を活用して、業務プロセスやビジネスモデルを根本から変革し、競争力を高める取り組み」と定義しています。
つまり、DXは単なるIT導入にとどまらず、企業全体の在り方を見直す重要なプロセスなんです。
経済産業省はDXを重要視している!
経産省においても、DXは日本の経済成長に重要な役割として位置づけされています。
上記で見たようにDXは企業の競争力を高める取り組みです。
そして企業の競争力が高まると、サービスや製品などの生産活動を活発化します。
すると、経済の基本指標である国内総生産(GDP)も高まり、日本そのものの経済成長につながります。
【なぜ経産省がDXを重要視しているの?】
日本企業がDXを推進
↓
売上向上や効率化による競争力強化
↓
国内総生産(GDP)の増加=日本そのものの経済成長
実際にDX推進施策の体系化が進んでおり、DXを積極的に進めている企業への認定制度なども提供されています。
施策1【DX推進指標】あなたの会社のDX推進具合はどの程度?
DX推進指標とは、各企業がDXを推進していくために、簡易的な⾃⼰診断ツールとして、2019年7⽉に経済産業省が公表したものです。
DX推進指標ができた背景
多くの企業において、DX化に向けた検討は⾏われているものの、実際のビジネス変⾰にまでは繋がっていないという
のが現状です。
DX推進のためには、経営幹部や事業部⾨、IT部⾨などの関係者が、「DXで何を実現したいのか」「⾃社の現状や課題」「とるべきアクション」などを認識することが何よりも重要なのですが、
実際にはそれができておらず、何となくITツールを導入しているといった企業が非常に多いです。
そこで、多くの⽇本企業が直⾯しているDXの課題を指標項⽬としてまとめ、社内の関係者全員がベクトルを合わせてアクションに繋げていくことを後押しすべくできたツールが「DX推進指標」です。
DX推進指標の内容
DX推進指標は、「①DX推進のための経営のあり⽅、仕組みに関する指標」と、「②DXを実現する上で基盤となるIT
システムの構築に関する指標」から構成されます。
【参考】DX推進指標:DX推進の枠組み
ここでDX推進指標のうち、コアとなる「DX推進の枠組み」について紹介します。
経産省では、これらの枠組みがDX推進の土台になると捉えています。
DX推進指標における成熟度
DX推進指標においては、成熟度を6つのレベルに分けています。
まずは自社がどの程度のレベルであるかを把握することが、DX推進の第一歩です。
DX推進指標から見た、日本企業の現状
では、日本企業のDX推進の現状はどうなっているのでしょうか。
情報処理推進機構(IPA)が2021年の⾃⼰診断結果を分析したところ、2020年度と⽐べて、先⾏企業(成熟度レベル3以上)の割合が増加していました(9%⇒18%)。
※成熟度レベル3は「DXを全社戦略のもと部⾨横断で推進」できている企業
⼀⽅、約8割の企業は、まだ全社戦略に基づいて、部⾨横断的な取組はできていないレベルでした。
施策2【DX認定制度】国が認めるDX推進企業になろう
DX認定制度とは、国が策定した指針を踏まえ「企業がデジタルによって⾃らのビジネスを変⾰する準備ができている状態(DX-Ready)」になっている事業者を認定する制度で、2020年11⽉に経済産業省が公表しました。
特徴としては下記の通りで、全ての事業者がいつでもオンラインで申請することができます。
- 企業の規模や業種を問わず、全ての事業者が対象
- 認定申請や認定の維持に係る費⽤は全て無料
- 1年間いつでもオンライン申請が可能
- 認定事業者については、オンラインで公表・認定事業者の取組の検索が可能。
DX認定取得までの流れ
DX認定取得には、下記1~5の流れで、IPAが事務局・窓口となって申請手続きを行います。
- 事業者がIPAに不明点などを問い合わせ
- 事業者がIPAにオンライン申請
- IPAが申請内容を審査後、経産省に審査結果を通知
- 経産省が審査結果を認定後、認定結果をIPAに通知
- IPAが認定結果を事業者に通知
ちなみにDX認定制度の申請内容は下記のように、DX活用の方向性、具体的な方策、KPI、情報発信、課題把握、セキュリティ対策など、自社のDX推進に関する全体像が問われます。
そのため、きちんと実態が伴っていないと記載することすらできず、何となく項目を埋めただけでは、当然IPAの審査ではじかれてしまいます。
反対に、この認定制度を通じて、自社のDX施策を見直し、体系的なものとして作り直すチャンスでもあります。
DX認定取得のメリット
ここでは、DX認定取得のメリットについてご紹介します。
※各種⽀援措置には別途申請要件等が設けられています。詳しくは各制度のHP等をご覧ください。
DX認定制度のロゴマークでPRできる
DX認定を取得した事業者を「認定事業者」呼びますが、認定事業者になると、⼀覧としてIPAのホームページで公表されると共に、認定ロゴマークを利⽤できます。
ロゴマークは名刺や自社ホームページ、各種SNS等で、「⾃社がDXに積極的に取り組んでいる企業」であることをPRするために活用できます。
DX投資促進税制による支援措置を受けられる(令和6年度末まで延⻑・新制度に移⾏中)
DXの実現に必要なクラウド技術を活⽤したデジタル関連投資に対し、税額控除(5%⼜は3%)もしくは特別償却30%の措置を受けられます。
ただし、認定の際に、部⾨・拠点ごとではない全社レベルのDXに向けた計画が必要となります。
中⼩企業者を対象とした⾦融による⽀援措置を受けられる
中小企業向けではありますが、認定事業者は下記の金融支援を受けられる場合があります。
- ⽇本政策⾦融公庫による融資:
設備投資の資⾦について、基準利率よりも低い利率で融資を受けることができます。 - 中⼩企業信⽤保険法の特例:
⺠間⾦融機関から融資を受ける場合、信⽤保証協会による信⽤保証のうち、普通保険等とは別枠での追加保証や保証枠の拡⼤が受けられます。
施策3【中堅・中⼩企業向け「デジタルガバナンス・コード」実践の⼿引き】
『デジタルガバナンス・コード』実践の⼿引きとは、DX推進の取組みに必要なことを事例を交えて解説するもので、2022年4月に作成・公表されました。
内容としても、2章構成+事例集とシンプルなもので、忙しい中小企業の経営者や支援機関の方でも読みやすい、まさしく実践的な内容になっています。
施策4【DXセレクション】他社のDX事例を知ろう!
DXセレクションとは、経産省がDX優良事例を発掘・選定し、各地域や業種内での横展開を図るための取組で、2022年3月に開始されました。
ちなみに優良事例は、各地域でIoT推進に取り組む「地⽅版IoT推進ラボ」の推薦企業等から選定されます。
施策5【デジタル⼈材育成プラットフォーム】人材育成迷ったら使ってみよう!
デジタル⼈材育成プラットフォームは、地域企業のDX加速に必要なデジタル⼈材の育成や企業内⼈材のリスキリングを推進するために構築された、産学官連携のプラットフォームです。
Udemyなどの民間サービスと異なるのは下記3つです。
- 厚労省の助成対象となるコンテンツを多数掲載したオンライン教育サイト
- ⺠間市場には存在しないケーススタディ教育プログラム
- 地域企業と協働したオンライン研修プログラム
施策6【デジタルスキル標準(DSS)】デジタル人材ってそもそも何?という方へ
デジタルスキル標準(DSS)とは、DX時代の⼈材像を標準として明文化・整理したものです。
今、企業のデジタル化の担い⼿が、ITの技術や知識に長けたIT⼈材から、戦略までを考えられるDX⼈材へと変化していることを踏まえて策定されました。
例えば、個⼈の学習はもちろん、企業の⼈材確保・育成の指針に活用できます。
採用の際に「こういう人材が欲しいなあ」と思うことはあっても、なかなか言葉で定義することは難しいと思います。そんな時にはまず国の定めた基準を確認してみるのが案外近道になりますよ!
まとめ:中小企業こそDXに取り組もう
国が中小企業のDX推進を後押している今、取り組むには絶好の機会です。
ただ、国の制度の活用など、自社単独での実施が難しい場合は、経営コンサルタントの力を借りるのも一つの方法です。当社の顧客の中には、DX推進の初期段階(目的設定や課題洗い出し)などを部分的に弊社の経営コンサルタントがサポートし、その後の施策実施~モニタリングは自走できた例もあります。
もしDX推進について具体的な支援が必要な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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