会社の成長のカギはDX!成功事例8選をご紹介!
みなさん、こんにちは。
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にする機会が増えています。企業にとって、デジタル技術を活用した業務効率化や新しいビジネスモデルの構築は、成長のカギを握る重要なテーマとなっています。しかし、「そもそもDXとは何なのか」「具体的にどのような取り組みを行えば良いのか」「本当に成果を上げられるのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DXの基本的な意味と重要性を解説した上で、実際に成功した8つの事例をご紹介します。中小企業から大手企業まで、どのようにデジタル技術を活用して成果を上げたのか、そのポイントをぜひご覧ください。
なお、当社では中小企業向けに現場の業務改善とDX推進を支援するサービスを提供しています。
DX推進に関する無料相談も承っておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
目次
DXとは
そもそもDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何なのでしょうか。ここでは、DXの起源から浸透までの変遷、その意味に加えて、似ている用語であるIT化との違いを解説します。
DXの起源と浸透までの変遷
DX(Digital Transformation)は、2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授によって提唱されました。エリック・ストルターマン教授「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という考えを元に、「社会の変化」を表した概念として「DX」という言葉を用いました。
日本では2018年9月に、経済産業省が発表した「DX レポート ~IT システム「2025 年の崖」克服とDXの本格的な展開~」をきっかけに、ビジネス界で急速に普及しました。その後も、IPA(情報処理推進機構)による「DX白書」や「DX動向2024」などの発表を通じて、DXは社会全体で注目される重要なテーマとなっています。
DXの意味・定義
では、現在の日本ではDXはどのような意味・定義で用いられているのでしょうか。
辞書では「DX」は以下のように定義されています。
現在IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。2004年にスウェーデンのE=ストルターマンが提唱した概念で、ビジネス分野だけでなく、広く産業構造や社会基盤にまで影響が及ぶとされる。デジタル変革。デジタル改革。DX。
デジタル大辞泉(小学館)
また、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」やIPA(情報処理推進機構)では、DXをそれぞれ以下のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
経済産業省「DX レポート ~IT システム「2025 年の崖」克服とDXの本格的な展開~」
デジタル技術の活用によって企業のビジネスモデルを変革し、新たなデジタル時代にも十分に勝ち残れるように自社の競争力を高めていくこと
IPA(情報処理推進機構)
上記より、DXについて、2004年にエリック・ストルターマン教授が提唱した際には、「ビジネス分野だけでなく、広く産業構造や社会基盤にまで影響が及ぶ」ものとされていましたが、日本においては特に企業のビジネスモデル導入に焦点をあて、デジタル技術の活用で自社の競争力を高めることを意味した言葉として用いられていることがわかります。
IT化との違い
DXと混同されがちなIT化は、主に既存業務の効率化を目的としています。
例えば、手紙による連絡をEメールに置き換えたり、対面会議をオンライン会議に変更することが該当します。
一方、DXは「新しい価値の創出」を目的としており、単なる効率化にとどまらず、業務プロセスやビジネスモデルそのものを革新することが求められます。
DXはなぜ必要なのか
変化の激しいビジネス環境で、企業が成長し続けるためにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が欠かせません。単なるIT化ではなく、業務プロセスやビジネスモデルを根本から見直し、競争力を高めるための戦略的な取り組みです。
なぜ今DXが必要とされるのか、3つの視点からその理由を解説します。
変化が激しいビジネス環境で競争優位性を築く
近年、技術革新やグローバル化の影響で、ビジネス環境の変化はますます激しくなっています。顧客のニーズは多様化し、企業が提供する製品やサービスのライフサイクルは短縮化しています。このような環境下で生き残り、競争優位性を確立するためには、迅速な対応が求められます。
DXを推進することで、以下のような効果が期待できます。
- 顧客ニーズへの迅速な対応: データ分析を活用して顧客の嗜好や行動を把握し、適切なタイミングで価値を提供することが可能になります。
- 市場の変化に柔軟に対応: デジタル技術を活用することで、新たなビジネスモデルやサービスを短期間で開発・提供する能力が向上します。
- 競争力の向上: 他社に先駆けて新しい価値を創出することで、競争力を高めることができます。
例えば、オンラインショッピングやオンデマンドサービスの普及は、DXを通じて顧客体験を革新した成功例と言えるでしょう。
古いシステムを一新し、業務効率を高める
多くの企業では、数十年前に構築された古いITシステム(レガシーシステム)が依然として稼働しています。これらのシステムは、以下のような問題を引き起こしています。
- 保守・運用コストの増加: レガシーシステムは最新の技術に比べて保守や運用が難しく、コストが高騰する傾向があります。
- 業務効率の低下: システム間の連携が不足しているため、データの統合や情報の共有に時間がかかります。
- リスク管理の難しさ: セキュリティが脆弱なケースも多く、情報漏えいやシステム障害のリスクが高まります。
DXを推進し、最新のクラウドシステム等を導入することで、これらの課題を解決し、業務効率を飛躍的に向上させることができます。また、プロセスの自動化(RPA)やデータの一元管理を進めることで、社員が本来の業務に集中できる環境を整えることができます。
例えば、ある製造業の企業ではDXを通じて生産プロセスを自動化し、年間数百時間分の労働時間を削減しました。このように、DXは業務効率化の切り札として機能します。
多様な働き方に対応し、人材獲得力を高める
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、テレワークやフレックスタイム制などの多様な働き方が急速に広がりました。これにより、従業員はより柔軟な働き方を求めるようになり、企業もまたそのニーズに応える必要があります。
DXは、働き方改革を実現するための強力なツールです。具体的には、以下の取り組みが挙げられます。
- リモートワークの促進: クラウドベースのコラボレーションツールを導入し、場所や時間を問わずに業務を遂行できる環境を整備。
- 柔軟な勤務形態の実現: シフト管理システムやプロジェクト管理ツールを活用し、従業員が自分に合った働き方を選べるようにする。
- 人材育成とエンゲージメント向上: eラーニングプラットフォームを導入して従業員のスキルアップを支援するとともに、デジタルツールを活用したコミュニケーションでエンゲージメントを強化。
これらの取り組みは、優秀な人材を引きつけ、企業にとっての競争優位性を高める効果があります。また、従業員満足度の向上は離職率の低下にも寄与します。
DXの成功事例8選
DXを活用し、大きな成果を上げた企業の具体例をご紹介します。
それぞれの事例がどのように課題を解決し、成長を実現したのかをご覧ください。
※事例は「中堅・中小企業等における DX 取組事例集」を出所としています
事例1|株式会社山本金属製作所
株式会社山本金属製作所は、大阪府大阪市に本社を置き機械加工というものづくりの現場から新たな価値の創造に取り組んでいる企業です。
<企業概要>
法人名 | 株式会社山本金属製作所 |
本社所在地 | 大阪府大阪市 |
業種 | 製造業 |
設立年 | 1965 年 |
従業員数 | グループ総従業員数 300 名 |
関連 URL | https://yama-kin.co.jp/ |
DX化前:
機械加工業界での競争激化に直面し、受注を待つ従来型のビジネスモデルに依存していたことで、業績に不安定さがありました。
特に、2008年の金融危機を機に売上が急減したことで、自社の強みを生かした新たな市場開拓が求められました。
DX化後:
デジタルツインを活用した機械加工のデータ収集・分析により、効率化と高品質を実現。加工データをリアルタイムで計測し、機械加工の課題を解決する「LAS機械加工最適化支援サービス」を開発しました。
さらに、デジタル推進室を設置して、ITベンダーと製造現場をつなぐ「橋渡し」役を担いました。
効果:
加工プロセスの見える化が進み、生産性が向上。また、LASサービスの展開による新たな収益源を確保しました。
これにより、精密加工技術とデジタル技術の融合で業界内での競争優位性を高めました。
事例2|株式会社リョーワ
株式会社リョーワは、福岡県北九州市において油圧装置のメンテナンス事業と外観検査システム事業を行っている企業です。
<企業概要>
法人名 | 株式会社リョーワ |
本社所在地 | 福岡県北九州市 |
業種 | 油圧メンテナンス事業及び外観検査システム事業 |
設立年 | 1968 年 |
従業員数 | 24 名 |
関連 URL | https://e-ryowa.com/ |
DX化前:
油圧装置のメンテナンス事業を主軸としていましたが、顧客から「油圧機械の需要が減少する」と言われることが増え、危機感を感じていました。
震災や産業の海外移転の影響もあり、新規事業を模索する必要がありました。
DX化後:
低価格で導入可能なAI外観検査システム「CLAVI」を開発しました。
さらに、遠隔メンテナンスサービスを構築し、熟練工のノウハウをデジタル技術で補完する仕組みを導入しました。タイの大学と連携し、デジタル人材の採用・育成にも注力しています。
効果:
AI技術を活用した新事業の確立により、収益源を多角化しました。
また、遠隔メンテナンスで業務効率が向上し、従業員の負担軽減にもつながりました。
事例3|株式会社樋口製作所
株式会社樋口製作所は、金属プレス加工技術力・同金型技術力だけでなく、SIer 的生産技術力を社内で保有し、グローバル市場で挑戦している中小金属加工会社です。
<企業概要>
法人名 | 株式会社樋口製作所 |
本社所在地 | 岐阜県各務原市 |
業種 | 輸送用機械器具製造業 |
設立年 | 1963 年 |
従業員数 | 260 名 |
関連 URL | https://hig-jp.net/ |
DX化前:
属人化した業務と情報共有不足により、生産性の低下や不良率の増加が課題でした。
自動車業界の大変革期を迎え、変革の必要性が高まっていました。
DX化後:
「ブリッジエンジニア」と呼ばれる製造現場とIT技術をつなぐ人材を中心に、IoTやAIを活用したシステムを開発。
製造設備の制御やトレーサビリティの強化、学習コンテンツの提供などを展開しました。
効果:
品質管理の向上や生産性の改善に成功。
さらに、従業員が新たなスキルを習得する機会を提供し、デジタル技術の活用範囲が広がりました。
事例4|西機電装株式会社
西機電装株式会社は、顧客からの仕様に基づいて、造船所、製鉄所、港湾などで使用される各種大型クレーン等の電気室・制御盤の設計・製作を手掛けている企業です。
<企業概要>
法人名 | 西機電装株式会社 |
本社所在地 | 愛媛県新居浜市 |
業種 | 製造業 |
設立年 | 1983 年 |
従業員数 | 53 名 |
関連 URL | https://g-nishioka.co.jp/nishiki/ |
DX化前:
受注から出荷までの工程で情報共有不足や手戻りが発生していました。
特に、生産管理システムの導入に失敗し、コンコルド効果による投資の無駄が問題となりました。
DX化後:
kintoneを活用した業務効率化システムを開発。
スモールスタートで総務部門から導入を始め、最終的には製造現場でも活用可能なシステムを構築しました。心理的抵抗を解消するため、簡易アプリの開発を進めました。
効果:
情報共有のスピードアップにより、生産効率が向上。
現場からアイデアが次々と生まれ、デジタル人材の育成にもつながりました。
事例5|株式会社常陽銀行
株式会社常陽銀行は、茨城県水戸市に本店を置く地方銀行です。地域とともに成長するビジネスモデルの構築及び組織力強化を行うために、2020 年 6 月にコンサルティング営業部を発足しています。
<企業概要>
法人名 | 株式会社常陽銀行 |
本社所在地 | 茨城県水戸市 |
業種 | 銀行業 |
設立年 | 1935 年 |
従業員数 | 3,185 名 |
関連 URL | https://www.joyobank.co.jp/ |
DX化前:
紙ベースの業務が多く、情報共有が非効率的でした。
部署間の連携不足や紙資料の紛失リスクも懸念されていました。
DX化後:
ペーパーレス化とクラウドサービスの導入を推進。
DXアドバイザー制度を導入し、現場に即した支援を実施しました。
効果:
業務プロセスが効率化され、担当者の負担が軽減。
情報の安全性が向上し、働き方改革にも貢献しました。
事例6|株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)は、地域経済発展への貢献により人々の生活を豊かにするとともに企業価値向上を目指す総合金融グループです。
<企業概要>
法人名 | 株式会社ふくおかフィナンシャルグループ |
本社所在地 | 福岡県福岡市 |
業種 | 金融持株会社 |
設立年 | 2007 年 |
従業員数 | 連結:7,850 名(2022 年 9 月末日) |
関連 URL | https://www.fukuoka-fg.com/ |
DX化前:
基幹システムベンダーの廃業により、業務の見直しが必要となりました。
経営ビジョンや戦略の整理も課題でした。
DX化後:
ITコーディネーターが伴走し、クラウドシステムの導入やDX戦略の策定を支援。
現状把握を基に経営方針を再構築しました。
効果:
業務効率が向上し、経営戦略が明確化。
経営者と現場の協力体制が強化されました。
事例7|株式会社NISSYO
株式会社 NISSYO は、特注トランス、電源機器の開発メーカーとして、20 年で売上を 10倍にした「ありえない町工場」として有名な会社です。
<企業概要>
法人名 | 株式会社 NISSYO |
本社所在地 | 東京都羽村市 |
業種 | 電気機械器具製造業 |
設立年 | 1967 年 |
従業員数 | 200 名 |
関連 URL | https://www.nissyo.tokyo/ |
DX化前:
業務データの活用が不足し、DX推進体制が整備されていませんでした。
DX化後:
クラウド型ポータルサイトの開発と、データドリブン経営の実践。
デジタル人材の育成に注力しました。
効果:
生産性と一人当たりの収益が向上。
データを活用した経営の透明性が向上し、全社的な変革が実現しました。
事例8|株式会社みらい蔵
株式会社みらい蔵は大分県豊後大野市で農業資材販売、米穀集荷、農産物検査、土壌分析等の事業を展開している会社です。
<企業概要>
法人名 | 株式会社みらい蔵 |
本社所在地 | 大分県豊後大野市 |
業種 | 農業資材小売業 |
設立年 | 1997 年 |
従業員数 | 20 名 |
関連 URL | https://mirai-zou.co.jp/ |
DX化前:
農業者が土壌管理を経験と勘に頼っていたため、効率化と品質向上が課題でした。
DX化後:
土壌分析データを活用する「ソイルマン」を開発し、クラウドサービスとして展開。
農業者との対話型システムを構築しました。
効果:
土壌管理の効率化が進み、全国規模でのサービス展開に成功。
農業の生産性向上と持続可能性を実現しました。
DX化を成功させるポイント
DXを成功させるには、戦略的な計画と実行が重要です。
自社の課題を把握し、意識改革や外部リソースの活用を通じて効果的に進めましょう。本章では、その具体的なポイントを解説します。
4-1. 現状の課題を明確にする
DXのスタート地点として最も重要なのが、自社の現状を把握し、課題を明確化することです。現状の業務プロセスを可視化し、どこに無駄があるのか、どの部分を改善すべきなのかを洗い出す必要があります。これを怠ると、DXの方向性が定まらず、無駄な投資やリソースの浪費につながるリスクがあります。
具体的なアクションプラン:
- 現場の従業員や関係者へのヒアリングを行い、現状の課題を抽出する。
- 業務プロセスのフローを作成し、ボトルネックを特定する。
- 改善すべき優先度を整理し、DXの目的を明確にする。
成功のポイント:
課題の整理には、外部のコンサルタントや専門家の意見を取り入れることも有効です。第三者の視点を加えることで、見落としがちな課題や改善余地を発見できる可能性が高まります。
4-2. 社内での意識改革を進める
DXは単なる技術導入ではなく、企業文化や働き方そのものを変革する取り組みです。そのため、従業員がDXの目的や重要性を理解し、自ら積極的に取り組む姿勢を持つことが成功のカギとなります。
具体的なアクションプラン:
- DXの目的やビジョンを全社員に共有し、理解を深める機会を設ける。
- 従業員に対して研修やワークショップを実施し、デジタルスキルを向上させる。
- DXプロジェクトの成功事例を社内で共有し、モチベーションを高める。
成功のポイント:
DXに対する抵抗を減らすためには、トップマネジメントが積極的に旗を振り、従業員と一緒に取り組む姿勢を示すことが重要です。社員が変化を恐れず、新しいチャレンジを楽しめる環境を整えましょう。
4-3. 外部専門人材の活用
DXを推進する上で、専門知識を持った外部のプロフェッショナルを活用することも成功への近道です。自社に必要なスキルやノウハウが不足している場合、外部リソースを取り入れることで、効率的かつ確実にDXを進めることができます。
具体的なアクションプラン:
- DXの戦略設計や導入を支援するコンサルタントを活用する。
- デジタルツールやシステムの導入をサポートする外部ベンダーと連携する。
- プロジェクト単位で外部専門家をチームに加え、ノウハウを吸収する。
成功のポイント:
外部人材に頼るだけでなく、社内担当者を明確にし、プロジェクト終了後も自社で運用できる体制を構築することが重要です。外部リソースを活用する際には、知見を社内に蓄積する意識を持ちましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はDXの基本的な意味と重要性を解説した上で、実際に成功した8つの事例をご紹介しました。
DX化で自社の競争力を高め、ビジネスのさらなる発展を目指しましょう。
DX化に際しては、外部の専門人材を活用することもおすすめです。
当社でも現場に即したコンサルタント派遣サービス「社長の右腕派遣」を提供しています。DX推進に関する無料相談も承っておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
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