【IT導入補助金】ECサイト制作にも活用できる?採択事例を4つご紹介!
※IT導入補助金2023の最新情報については、下記のページをご覧ください。↓
みなさんこんにちは。
中小企業の業務効率化や生産性向上を後押しするIT導入補助金ですが、令和5年度も引き続き継続することが予定されております。
そこで今回は、「IT導入補助金ってECサイトにも使えるの?」「具体的にはどのような活用方法があるの」といった中小事業者の方に向け、IT導入補助金で実際に採択され、公開されている事例をご紹介します。
こちらを参考いただくことで、IT導入補助金を活用したECサイト制作のイメージが持てるかと思います。
※本記事でご紹介する事例は、中小企業庁 IT導入補助金HPで公式に公開されているものに限り、弊社が作成したものではございません
目次
IT導入補助金におけるECサイトの定義とは?
2022年度のIT導入補助金のITツール登録要領では、ECサイト制作の要件が明記されています。
詳細は以下のとおりです。
ECサイト制作の特例について
出所:IT導入補助金2022「ITツール登録要領」
(ア) ECサイトはスクラッチ開発のため、通常枠(A・B類型)においては補助対象外となるが、令和 5 年(2023年)10月1日より施行される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)に対応する取り組みを支援する目的でデジタル化基盤導入類型においては補助対象となる。
(イ) ECサイトには電子決済機能(クレジットカード・デビットカード・キャリア決済等)が実装されていなければならない。(銀行振込・代引き決済のみが実装される場合は対象外。)
(ウ) ECサイトには安全性を向上させるセキュリティ対策が施されていなければならない。ITツールの申請の際には講じるセキュリティ対策を申告のこと。またECサイトは個人情報のやり取りが発生する性質上から SSL(Secure Socket Layer)や TLS(Transport LayerSecurity)を用いた HTTPS 通信の導入を必須とし、実装されない場合は対象外となる。
(エ) 新たにECサイトを制作する場合が対象となる。既存のホームページをリニューアルすることで新たにEC機能を実装する場合、新規で導入された部分のみが対象となる。既存のECサイトのデザインをリニューアルするのみで、(イ)に記載の電子決済機能が新たに導入されない場合は対象外となる。
(オ) ショッピングモールへの出店については、新規出店の場合のみであり、ショップサイトの制作を伴うものに限り対象とする。商品の出品のみや出店済みのサイトのリニューアル等は対象外となる。
(カ) 実績報告の際に、IT導入支援事業者によって制作され、補助事業者へ納品されたECサイトの成果物(URL、管理画面の画面キャプチャ等)が確認できるものを提出すること。BtoB向けECサイトなどでID・PW等がなければサイト内を確認できないものは、テストID・PWを発行すること。納品がすべて完了していないもの(制作途中のもの)は対象外となる。
(キ) 交付決定前・契約前に制作がされたもの、または着手されたものは対象外となる。
ECサイト特有の観点では、(イ)電子決済機能、(ウ)セキュリティ対策、(エ)新たに制作する場合が重要な要件となりますので、必ず達成するようにしましょう。
IT導入補助金 ECサイトでの採択事例紹介
ここからは中小企業庁 IT導入補助金HPで公表されている採択事例を確認していきましょう。
ここでは、各事例を「抱えていた経営課題」➡「ECサイト活用」➡「成果」の順に紹介します。
自社の事例と照らし合わせながら見ていただければ参考にできる箇所があるかもしれませんよ!
大友産業株式会社 様【小売】
だしを中心とした食品通販会社が定期通販特化型カートシステムの導入により、業務の効率化&働き方改革を実現した事例です。
- 抱えていた経営課題
- 【競争激化による受注の減少】
2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことをきっかけに、だし市場の競争が激化し、他県からの進出も相次ぎ受注が減少した。
【リピータの獲得が課題】
インターネット販売において着実に集客し、売上拡大につなげるためにも、従来の自社ECサイトとは異なる新たなECサイト構築の必要があった。
- ECサイト活用の内容
- 【定期便に特化したCRMに強いカートシステム「楽々リピート」を導入】
・導入のポイント
1)定期通販に特化したカートシステムであること
2)操作性が良いこと
3)CRM機能を備えていること
4)サポート体制とコスト
- 成果
- 【煩雑だった通販業務が、受注と同時に完結。社員の働き方改革も実現】
・顧客が購入時に入力した情報は決済まで連携され、入力ミスや回収できないケースも減り、作業時間が大幅削減
・定期便の内容や発送日、情報の変更を顧客自身が自由できるなどの利便性が向上
・仕事のやり方の変化により、社員の意欲や責任感が向上
■会社概要
事業者名 | 大友産業株式会社 |
住所 | 愛知県名古屋市中区錦2-11-5 |
設立 | 1977年 |
従業員数 | 3名 |
売上高 | 約84百万円 |
事業概要 | 料理の決め手となる「だし」を中心とした食品通信販売を手掛けている。 2007年から「キッチン大友」ブランドで通信販売をスタートし新聞広告やカタログ、ダイレクトメールを中心に販売。 |
株式会社グラシアス 様【卸売】
業務用食材や厨房機器の対面卸売を行っていた卸売会社が自社ECサイトを立ち上げ、売上を取り戻した事例です。
- 抱えていた経営課題
- 【コロナ禍で飲食店来店客の減少➡卸売事業の売上確保が困難に】
レジャー関連施設にある飲食店をメインの顧客として、業務用食材や厨房機器等を卸売りしていた。
コロナ禍で当該施設への来場客が激減。卸売事業の売上も減少した。
【ECノウハウの獲得】
従業員の雇用を守るため、EC市場への参入を決意するも、社内にノウハウを有していなかった。
- ECサイト活用の内容
- 【自社ECサイト「Graine25」をゼロから立ち上げ】
・自社ECサイトの構築に必要な商品の受注・決済・発送管理、顧客管理、メルマガ発信といったショッピングカート機能を実装。
・楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonへの出店、出品も実現。
・「楽天市場での1,000アイテム出品」に全社一丸でチャレンジ。
・「中小企業デジタル化応援隊事業」も活用し、IT専門家からサイトデザイン、売上分析、SNS活用など、様々なアドバイスを受ける。
- 成果
- 【立ち上げから1年で月商400万円を達成】
・従業員の雇用とモチベーションの維持も実現。
・IT専門家のアドバイスを受け、従業員自ら商品のランディングページ(LP)を改善。売上は右肩上がりに伸びている。
■会社概要
事業者名 | 株式会社グラシアス |
住所 | 福岡県春日市 |
設立 | 2009年 |
従業員数 | 8名 |
売上高 | 約184百万円 |
事業概要 | ・非対面型ビジネスモデルへの転換 ・業務用食材卸事業のほか、飲食店や美容室の経営など、コロナ禍においても積極的な事業展開を進めている。 |
有限会社千葉恵製菓 様【製造業】
和洋菓子の製造・卸売業者が大手モール出店から自社サイトに切り替えたことで、月商増加に成功した事例です。
- 抱えていた経営課題
- 【需要減に対応する新商品の開発】
これまで東北地方の製造・卸売販売をメインとしてきたが、東日本大震災等による人口の減少に伴う需要減に対応するため、域外・個人への販路開拓や日持ちする新商品の開発を追求してきた。
【大手ECモール出店での失敗】
以前大手ECモールに出店するも、予定の収益が出ず、販売データ等も取得できないなど、満足のいくものではなかった。
- ECサイト活用の内容
- 【全国35,000店舗以上で稼働中の『EC-CUBE』を使って自社ECサイトを立ち上げ】
・ターゲットに応じた複数のECサイトを展開。
・個人からの注文はこれまで電話受付・郵便振替の対応だったが、ECサイト経由での受注となり受付業務等が効率化。小口の注文にも対応できるようになった。
・若手社員が商品開発や販売促進の方法を積極的に提案。
・専任の若手社員が自らECサイト用の写真撮影やSNS運営を行っている。
- 成果
- 【新規顧客開拓を実現しECの月商が約8倍アップ】
・中部や四国など遠方の顧客も獲得することができた。
・購買データによる顧客分析などにより、売上は増加中。今後は収益の柱になることを目指している。
・自身での運営により、社員の向上心もアップ。
■会社概要
事業者名 | 有限会社千葉恵製菓 |
住所 | 岩手県平泉町 |
設立 | 1973年 |
従業員数 | 98名 |
売上高 | (不明) |
事業概要 | ・和洋菓子の製造販売、店舗運営 ・自慢の「かわらけかりんとう」など、ふるさと納税の返礼品になっている。 |
市原ファーム 様【農業】
食肉加工・販売を手がける農業法人が47都道府県の特産品お取り寄せサイトに出店し、新たな販路開拓を狙う事例です。
- 抱えていた経営課題
- 【コロナ禍における自社ブランドのPR・販路開拓手段の確保】
・HPの作成やイベント出店等で地域ブランド「石見鴨(いわみがも)」の販路開拓を行っていたが、コロナ禍の影響で取引先が大幅に減少。地域イベントへの出店もなくなり、PRの場を失う。
・石見鴨をPR する新たな手段を考えなければならなかった。
- ECサイト活用の内容
- 【全国の個人消費者をターゲットに、ご当地グルメ特化型ECサイトへの出店で新たなチャンスを狙う】
・地元商工会のアドバイスを受け、IT導入補助金を活用してECモールへの出店を決意。
・様々なモール型ECサイトの中から、石見鴨のブランド戦略を踏まえ全国の地方新聞社厳選のお取り寄せECサイト「47CLUB」を選定。
・補助金の申請からサイト上のショップページ構築まで、IT導入支援事業者による丁寧なサポート
- 成果
- 【ECサイトと地方新聞への広告掲載で全国へのPRを実現】
・スタッフがショップ運営のノウハウを習得し、効果的なキャンペーンや商品に関する付加情報もサイト上で発信していく。
・サイトへのアクセスや販売データを分析し、マーケティング活動の実現にも取り組んでいく。
■会社概要
事業者名 | 市原ファーム |
住所 | 島根県邑智郡川本町 |
設立 | 2017年 |
従業員数 | 7名 |
売上高 | 約8百万円 |
事業概要 | 島根県西部「石見(いわみ)地方」の人口約3300人の自然豊かな里山で養鴨(ようおう)と食肉加工・販売を手がける。 |
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、IT導入補助金を活用してECサイトを制作した事例についてご紹介しました。
公募にあたっては今回の内容を頭に入れた上で直近の公募要領を読み込むことが重要です。
中小事業者の方にとって、IT導入補助金は業務効率化・デジタル化のチャンスですので、ぜひともチャレンジを検討してみてくださいね!
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