【2024年度の新補助金】中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)の公募要領が公開!補助対象や審査の着眼点など、重要ポイントを解説!
※本記事内容は、公募要領等の公開資料に基づき作成しておりますが、申請の際はご自身でポータルサイトをご確認ください。
みなさんこんにちは。
2024年3月29日に、中小企業省力化投資補助金の公募要領が公開されました!
中小企業省力化投資補助金は、2023年度の補正予算で新設された補助金で非常に注目されています。
本日は中でも特に重要な箇所をポイントを絞って解説します。本記事でざっと内容を把握した後、詳細は公募要領を確認しながら申請を進めるとスムーズです。
目次
中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)とは
【目的】
中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、簡易で即効性がある省力化投資を促進し、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげること
【支援内容】
人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助 →カタログに掲載された製品の経費に対して、補助率1/2を補助(補助上限額200万円~1,500万円円)
【予算規模】
「令和5年度補正予算」では「中小企業省力化投資補助事業」に1,000億円の予算が盛り込まれています。さらに、事業再構築補助金の再編などにより、予算が増額される可能性が高く総額5,000億円規模となる可能性があります。
補助額・補助率
中小企業省力化投資補助金の補助上限額は従業員規模別に原則200~1000万円となっており、補助率は1/2に設定されています。賃上げ要件※を達成した場合に補助上限額が()内の数値に引き上げられます。
補助対象 |
補助上限額 |
補助率 |
|
補助対象として カタログに登録された 製品等 |
従業員数5名以下 |
200万円(300万円) |
1/2 |
従業員数6〜20名 |
500万円(750万円) |
||
従業員数21名以上 |
1,000万円(1,500万円) |
※補助上限額の引き上げに必要な賃上げ要件は、以下の通りです。
申請時と比較して、 (a)事業場内最低賃金を 45 円以上増加させること、(b)給与支給総額を 6%以上増加さ
(出所)中小企業省力化投資補助事業 公募要領
せることの双方を補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定した事業者は、補助上限額
を(1)の表中括弧内の額に引き上げる。ただし、申請時に賃金引き上げ計画を従業員に表明していることが
必要である。また、自己の責によらない正当な理由なく、賃上げの目標を達成できなかったときは、補助額の
減額を行う。
補助対象事業者/申請要件
中小企業省力化投資補助金は、日本国内で法人登記等がされ、事業を営む中小企業(個人事業主含む)が対象となっています。
資本金又は従業員数が下表の数値以下である企業が中小企業に該当し、業種によっては、従業員数数百人規模でも活用できる補助金となっています。
業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
製造業、建設業、運輸業 | 3 億円 | 300人 |
卸売業 | 1 億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造 業並びに工業用ベルト製造業を除く) |
3 億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3 億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3 億円 | 300人 |
中で、さらに下記の目標・要件を満たす事業計画を作成する必要があります。この2つの目標に関して詳しく説明していきます。
- 労働生産性の向上目標
- 賃上げの目標
労働生産性の向上目標
本補助金の労働生産性の向上目標は、以下の通りです。補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む必要があります。
労働生産性の計算式が少し複雑なため、算出の際は公募要領を確りと確認するようにしましょう。
本事業において交付申請を行う中小企業等は、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生
(出所)中小企業省力化投資補助事業 公募要領
産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組
まなければならない。
なお、労働生産性は、以下のように定義するものとする。式中の各値は、報告を行う時点で期末を迎えてい
る直近の事業年度の値を用いるものとする(3―5.(1)を参照)。
(付加価値額)=(営業利益)+(人件費)+(減価償却費)
(労働生産性)=(付加価値額)÷(従業員数)
(労働生産性の年率平均成長率)=
[{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(効果報告回数※)-1 -1]×100%
※当該報告を含める。つまり、過去に効果報告を行った回数に1を加えた値となる。
賃上げの目標
賃上げの目標は、補助上限額を引き上げる場合に達成する必要があります。具体的には、中小企業省力化投資補助金の申請時と比較して、下記の両方を達成する見込みの事業計画を策定した事業者は補助上限額1.5倍に引き上がります。※補助金申請時に 、賃金引き上げ計画を従業員に表明している必要あり
- (a)事業場内最低賃金を45円以上増加させること
- (b)給与支給総額を6%以上増加させること
補助対象経費/カタログ登録フロー
中小企業省力化投資補助金の対象経費は、カタログに掲載された製品の導入にかかる経費となります。
製品がカタログに登録されるまでのフローは以下の通りとなっています。まず、各工業会による製品カテゴリ登録が必要で、カテゴリ登録の後に製造事業者によるカタログ登録が可能となっています。
<カタログ登録フロー>
2024年4月12日時点では、カタログは公開されておらず、対象製品のカテゴリ一覧のみが公開されています。カタログが公開され次第、情報提供させていただきます。
なお、対象カテゴリは以下リンク先の「対象カテゴリ一覧」が適宜更新される仕様となっていますので、ご参考ください。2024年4月12日時点では、9カテゴリ(券売機、自動精算機、自動チェックイン機、スチームコンベクションオーブン、無人搬送車(AGV・AMR)、検品・仕分システム、自動倉庫、清掃ロボット、配膳ロボット)が登録されています。
<対象カテゴリ一覧>
https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_category_list.pdf
交付申請のフロー
本補助金の申請は以下の手順に沿って行う必要があります。
(1)カタログから導入製品及び販売店を選択する
(2)販売店と連絡を取り、事業計画の作成を行う
(3)電子申請システムを通じて販売店と共同で交付申請を行う
なお、詳細な申請方法や必要書類については、今後案内される「申請の手引き」で案内されるようです。
申請スケジュール
2024年4月12日時点では、カテゴリ登録及びカタログへの製品登録のスケジュールのみが公開されており、補助金の申請スケジュールは未定となっています。後日公式HPでお知らせされる予定ですので、確りチェックしておきましょう。
- 工業会によるカテゴリ登録:受付中
- カタログへの省力化製品登録・省力化製品製造事業者登録:受付中
- 省力化製品販売事業者登録:開始時期は後日お知らせ予定
- 交付申請(補助金申請):開始時期は後日お知らせ予定
審査の着眼点
審査の着眼点としては、以下(1)(2)が公募要領に記載されています。要件にもなっている「労働生産性の向上」と「賃上げ」を審査されることがわかりますね。
本事業への採択は、4-1・4-2.記載の要件を満たしているかどうかに加え、下記の要素も踏まえて総合的に判断して行われる。
(出所)中小企業省力化投資補助事業 公募要領
(1)事業計画に記載の省力化の効果が合理的に説明されており、省力化への投資により高い労働生産性の向上が
期待できるかどうか。また、既存業務の省力化により新しい取組を行う・高付加価値業務へのシフトを行うなど、
単なる工数削減以上の付加価値の増加が期待できるか。
(2)大幅な賃上げによる補助上限額引き上げの適用を含め、賃上げに積極的に取り組んでいる、あるいは取り組む予定であるかどうか。
まとめ
まとめ
■中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)は、人手不足に悩む中小企業等に対して、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を導入するための事業費等の経費の一部を補助することにより、簡易で即効性がある省力化投資を促進し、中小企業等の付加価値額や生産性向上を図るとともに、賃上げにつなげること、が目的
■カタログに掲載された製品の経費に対して、補助率1/2を補助(補助上限額200万円~1,500万円)
■補助対象事業者は、日本国内で法人登記等がされ、事業を営む中小企業(個人事業主含む)
■申請にあたっては、補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%向上させる事業計画を策定し、採択を受けた場合はそれに取り組む必要がある
■補助上限額を引き上げる場合には、(a)事業場内最低賃金を45円以上増加させること、(b)給与支給総額を6%以上増加させること、の2つの賃上げ目標を達成する必要がある
◾️2024年4月12日時点では、カタログは公開されておらず、対象製品のカテゴリ一覧のみが公開中
◾️2024年4月12日時点では、カテゴリ登録及びカタログへの製品登録のスケジュールのみが公開されており、補助金の申請スケジュールは未定
いかがだったでしょうか。今回は、2024年の新補助金である中小企業省力化投資補助金(省力化補助金)の公募要領の重要ポイントをご紹介しました。しっかりとポイントをおさえて採択を勝ち取りましょう!
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