【今さら聞けない!?】中小企業こそ「今から」DXに取り組もう! 進め方や用語の定義、BPRやIT化との違いも解説!!

こんにちは。今回はここ数年でよく耳にするようになった「DX」について、その進め方や注意点を解説します。

中小企業の経営者の方で下記のようなお悩みを持つ方は必見です!

「DXってよく聞くけど、実際のところ何かよく分からない…システムならもう入れてるよ。」
「ITとか、BPRとどう違うの?」
「重要なのは分かるけどDXの具体的な進め方が分からない。」
「中小企業がDXを推進する際に気を付けるべきことは?」
「実際どういうメリットがあるの?」
「自社だけでできない時はどうすればいいの?サポートをもらいながら進めたい。」

用語の解説も同時に行いますので、DXについて前提知識が無い方も安心して読み進めてくださいね!

ちなみに、当社は中小企業向けにDXと現場の業務改善を支援する「社長の右腕派遣」サービスを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを革新し、企業全体の競争力を強化する取り組みを指します。

DXの本質は、単なるIT技術の導入や部分的な業務改善に留まらず、企業全体の文化や戦略そのものを変革することにあります。

もちろん中小企業にとっても、DXは新たな成長機会をもたらす上で重要なものです。DXに取り組むことで、業務の効率化、新たなビジネスモデルの構築、顧客体験の向上などを通じた、企業の競争力強化につながります。

IT化やBPRとの違い

DXに似た言葉に、IT化、BPRといったものがあります。それぞれの関係性や位置づけを以下の表にまとめました。一言でいうと、DXはデジタル技術活用の最終目的地です。ざっくり下記に当社が捉えている定義とその関係性を示します。

DXデジタル技術を活用し、業務プロセスだけでなく、ビジネスモデル、組織といった複数観点から企業全体を変革すること。【最終目的】
BPRデジタル技術を活用し、業務プロセス全体を見直すこと。【中間目的】
IT化IT技術・デジタル技術を導入すること。【あくまで手段】

IT化はあくまでBPRやDXのための手段であり、目的ではありません。
業務プロセス改善などの目的なく、IT化を行うことは愚策です。

例えば、「ベンダーの言うがままに流行りの会計システムを導入してしまったが結局使われずにコストだけ発生している状態」などがその典型例です。先にDXやBPRの検討があり、その手段として最適なIT化を行うのが正しい順番です。

BPRとDXは重複している部分もあるのですが、DXの方がビジネスモデルや組織変革など、より幅広い観点からデジタル技術の活用を試みています。

IT化の例

IT化は下記のように、単にIT技術やツールを導入すること自体を指します。

・会計システムや販売管理システムといった業務システムの導入・開発
・ECサイトによる新たな販売手法の構築
・GoogleWorkspaceなどのクラウドサービスの導入

BPRの例

BPRの場合、IT化を通じて「何を実現したいか」という目的が重要になります。企業活動のうち、主に業務プロセス全体の改革をゴールとし、コスト削減や業務効率化、提供スピードの向上のためにIT技術やツールを導入します。

・業務プロセスの視点で、職務、業務フロー、管理機構、情報システムを見直し、改善点を洗い出す
・その結果、業務の標準化やフロー改善を実施
・一部については、IT化を行うことで、さらなる業務効率化やコスト削減を実現

DXの例

DXは、BPRが業務プロセスの改善を目的としているのに対し、単なる業務改善にとどまらず、幅広い観点から企業全体の変革を行います
はじめからBPRを検討していたのでは決して生まれないデジタル技術の活用を実現します。

顧客接点の観点から、これまでアナログで行っていたコールセンター業務をチャットボットにも担わせ、業務効率化だけでなく、顧客接点の増加やサービス品質向上を実現
ビジネスモデルの観点から、これまでオフラインで提供していたセミナー・研修を、オンラインでの配信サービスを活用することで、移動や場所の確保に伴う労力を削減しただけでなく、受け手側も場所・時間の制約がなくなったことで、受講者数が格段に増加。

DXのステップ

DXを進めるためには、以下のステップを踏むことが重要です。

1. DXの目的設定、計画

企業のビジョンや目標に基づいてDXの目的を明確に設定し、計画を立案します。

具体的には、業務改善で目指すゴールやスケジュールを明確化・具体化し、スムーズにDXが進むように、プロジェクト編成やメンバーの選定も行い、進行の土台を整備します。

2. 課題の洗い出し・優先度付け

現状の業務プロセスやシステム、組織、ビジネスモデルの課題を広く洗い出し、改善点を明確にします。例えば、業務が手作業に依存している部分や、データの管理が不十分な部分、組織運営が上手くいっていない部分などを特定します。

その際、社長や社内メンバーから広く課題を募ることが重要です。経営層が課題に感じていることだけでは、現場の改善には不足し、その逆だけでは全社的ではなく小粒の課題に終始してしまう恐れがあるためです。

また、初期段階では粒度や重要度を気にせずとにかく、幅広い部署・観点から課題を洗い出します。この過程を通じて、社員の会社に対する問題意識の醸成や課題の認識合わせを行うことができます。

ある程度課題を洗い出せたら、それらの粒度をそろえ、グルーピングして管理表に整理しておきます。

その後、コストや見込み効果等の観点から、取組み優先度をつけます。細かくやりすぎず、A,B,C,Dとざっくりで大丈夫です。

3. 業務プロセスや組織図の可視化

課題の洗い出しが完了したら、特に取り組み優先度の高い課題について、関連する業務プロセスやシステム構成、組織図、顧客接点などをフローチャートやユースケース図などで可視化し、全体像を把握します。

これにより、問題の要因やボトルネックを明確にし、改革の方向性を見出します。

4. 施策立案

これまでに作成した、課題管理表や、フローチャートなどをにらみながら、課題に対応するための具体的な施策を立案します。デジタル技術の活用を前提とするのではなく、最適な施策は何かを検討しながら広い観点から施策出しを行います。
例えば、新システムの導入や既存システムの改善、業務手順の見直し、配置換えなどを計画します。

5. 施策実行・フォローアップ

立案した施策を実行し、その進捗状況をフォローアップします。必要に応じて修正や改善を行い、計画通りに進めるための体制を整えます。

中小企業がDXを進めるメリット

中小企業がDXを進めることで得られるメリットは多岐にわたります。

少ない人数で仕事が回る、生産性の向上

DXにより、業務の自動化や効率化が進み、少人数でも効率的に業務を進めることができます。

また、膨大な工数をこなすことで発生していた人的なミスもデジタル技術の活用により減少します。

これにより、従業員一人ひとりの生産性が向上し、企業全体の生産性も高まります。

コア業務に注力できる

ルーチンワークが自動化されることで、従業員はコア業務に集中できるようになります。例えば、データ入力や書類整理といった単純作業を自動化することで、営業活動や顧客対応といった重要な業務に専念できます。

顧客ニーズに対応でき、売上向上

データ分析や顧客管理システムの導入により、顧客ニーズに迅速に対応でき、売上向上が期待できます。

例えば、顧客の行動データを分析し、最適なタイミングで適切な提案を行うことで、顧客満足度を高めるといった、業務効率化以外のメリットも期待できます。

中小企業ならではの注意点

DXを進める際には、中小企業ならではの注意点もあります。

過大投資にならないように

当然、中小企業のリソースには限りがあります。過大な投資を避け、必要な範囲でDXを進めることが重要です。例えば、いきなり全社的な変革を急ぐのではなく、まずは小規模なプロジェクトから始めるといった段階的なアプローチが有効です。

また、施策立案の際、大規模なシステム開発に頼らず、Webサービスやノーコードツールの活用で、地に足のついた施策から実施することで、計画がとん挫したり、結果的に上手くいかなかった場合のリスクも抑えられます。

社長がリーダーシップを取って社員を巻き込む

DX推進には全社的な取り組みのため、社長自らがリーダーシップを発揮し、社員を巻き込むことが不可欠です。

例えば、社内で社長直下のDX推進チームを編成し、社長が前のめりに進捗をフォローするなどの取り組みが考えられます。ただし、社長がリーダーシップを取りたいがあまり、社員が置いてけぼりにならないような工夫が必要です。

例えば、下記のような工夫が考えられます。

・能力やスキル、部署のバランスを見ながらチーム編成を行う
・DX専任チームメンバーには、普段の業務量とのバランスを配慮する
・プロジェクト序盤にDXの勉強会を開催したり、社長の想いなどを共有し、社員の知識・意識レベルを揃える

投資対効果(KPI)を追う

DXの投資対効果を常に検証し、適切な改善を行っていくことが重要です。例えば、導入したシステムが、実際にどれだけの効果を上げているかを定期的に評価し、必要に応じて見直しを行うことが必要です。下記のような指標をKPIとして、DXの目的が果たされているかをモニタリングしましょう。

・顧客接点の充実をモニタリングするため、Webサービス利用者からの問い合わせ数をKPIとした
・納品スピードをモニタリングするため、営業マンが発注を受けて実際に顧客の手元に製品が届くまでの日数をKPIとした
・業務プロセスの効率化をモニタリングするため、残業時間の前年度比をKPIとした

上記のように、KPIとする指標は下記の「SMART」を意識して設定するとモニタリングがしやすくなります。

  1. Specific(具体的な)
  2. Measurable(計測可能な)
  3. Achievable(達成可能な)
  4. Relevant(関連した)
  5. Time-bounded(期限を定めた)

まとめ:中小企業こそDXに取り組もう

DXは中小企業にとっても大きなチャンスです。

少ないリソースで効率的に業務を進め、サービス品質やスピードを向上させるとともに、デジタル技術を活用した新たなサービスや顧客接点を生み出すことで競争力を高めることができます。

ただ、自社単独での実施が難しい場合は、経営コンサルタントの力を借りるのも一つの方法です。
当社の顧客の中には、プロジェクトの初期段階(目的設定や課題洗い出し)などを部分的に弊社の経営コンサルタントがサポートし、その後の施策実施~モニタリングは自走できた例もあります。

このブログ記事が、中小企業がDXを進めるための一助となれば幸いです。さらに具体的な支援が必要な場合は、ぜひ当社のコンサルティングサービスをご利用ください。

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