【2021年度・2022年度】事業再構築補助金 第5回・第6回以降の変更点!基本的には緩和の方針だが、一部制約追加も有り
みなさんこんにちは。
令和3年度補正予算事業再構築補助金の第5回公募が2022年1月20日(木)18:00より開始されましたね。
ちなみに公募期間は1月20日から3月24日まで、申請受付は2月中旬になる模様です。
事業再構築補助金については、令和4年度も引き続き継続することが予定されております。
今回は、第5回公募以降の申請における変更点についてお伝えしたいと思います。
また、予算が切り替わる第6回公募以降についても、現時点で公表されている情報をまとめてみました。
第6回公募以降は事業類型や要件が大幅に変更になるようですので、ぜひ確認してみてください。
第5回・第6回公募以降の変更点は、以下のとおりです。
目次
第5回公募【2022年1月20日~3月24日】以降の変更点
第5回公募以降の変更点としては、基本的に要件緩和の方針と思って大丈夫です。
新事業売上高10%要件の緩和
これまでは、3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定することが必要でした。
第5回以降は条件が緩和され、総売上高だけでなく、付加価値額や事業部門の売上額を用いた計算も認められるようになりました。
これらの緩和により、申請できる事業の幅が広がるものと想定できます。
【具体的な変更点】
- 3~5年間の事業計画期間終了後、事業再構築で新たに取り組む事業の売上高が、総売上高の10%以上となる事業計画を策定することを求めている要件について、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の15%以上でも認めることとする。
- 2021年11月以前に終了する事業年度の売上高が10億円以上の事業者であって、事業再構築を行う事業部門の売上高が3億円以上である場合には、当該事業部門の売上高の10%以上でも要件を満たすこととする。
補助対象経費の見直し(貸工場・貸店舗等の賃借料)
補助対象経費についても見直しがされています。
これまで経費として認められていなかった貸工場の賃借料についても条件付きですが認められるようになりました。
【具体的な変更点】
- 補助事業実施期間内に工場の改修等を完了して貸工場から退去することを条件に、貸工場の賃借料 についても補助対象経費として認める。なお、一時移転に係る費用(貸工場の賃借料、貸工場への 移転費等)は補助対象経費総額の1/2を上限とする。
農事組合法人の対象法人への追加
対象法人についても緩和の方向性です。これまで認められていなかった農事組合法人が新たに対象法人として追加されています。
一定のニーズがあることを踏まえた措置とのことで、ますます参入事業者が増加することが推察できますね。
【具体的な変更点】
- 事業再構築への一定のニーズがあることを踏まえ、農事組合法人を対象法人に追加する。
第6回公募【2022年4月以降を想定】以降の変更点
詳細は2022年4月以降となりますが、予算が切り替わる第6回公募以降ではさらに大幅な変更が発生すると公表されています。
現時点で判明している変更点を下記にまとめています。
売上高10%減少要件の緩和
これまで、下記のうち、条件Aに当てはまらない事業者は条件Bを満たさなければなりませんでしたが、条件Bの①を満たしても②を満たしていなければ補助対象にはなれませんでした。
今回はBの②の条件が撤廃されます。
・条件A「2020年10月~2021年3月・売上高10%減少」
・条件B ①「2020年4月~9月・売上高10%減少」+②「2020年10月~2021年3月・売上高5%減少」
【具体的な変更点】
- 売上高10%減少要件について、「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」を撤廃。
- 「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」のみを要件とするよう要件を緩和。
回復・再生応援枠の新設
緊急事態宣言枠が廃止され、新たに回復・再生応援枠が設置されます。
比較的少額(~1,500万円)の補助額を必要とする事業に対し、手厚い支援(補助率:通常枠2/3➡本枠3/4)を行います。
これまで小規模な事業実施のハードルとなっていた「主要な設備の変更」についても求めない方針で、より柔軟な事業計画策定ができそうです。
【具体的な変更点】
- 引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象として「回復・再生応援枠」を新設し、最大1,500万円まで、中小企業については補助率を3/4に引き上げ(通常枠は2/3)手厚く支援する。
- 加えて、事業再構築指針の要件について、主要な設備の変更を求めないこととするといった緩和を行う。
- なお、これに伴い緊急事態宣言特別枠は廃止する。
【回復・再生応援枠の対象となる事業者】
通常枠の申請要件に加え、以下の①又は②のどちらかを満たすこと
- 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること
- 再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)
【補助上限額・補助率】
グリーン成長枠の新設
卒業枠・グローバルV字回復枠が廃止され、新たにグリーン成長枠が設置されます。
グリーン分野での事業再構築という条件付きですが、補助上限額が1.5億円と本補助事業の中で最大です。
「グリーン分野で面白いアイデアがあるが、これまでの補助金だと到底足りない・・・」といった積極的な事業者には朗報です。
【具体的な変更点】
- グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、補助上限 額を最大1.5億円まで引き上げた新たな申請類型を創設する。
また、売上高10%減少要件を課さない。 - なお、これに伴い、卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止する
【グリーン成長枠の対象となる事業者】
- 事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること (補助額3,000万円超は金融機関も必須)
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は 従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること (※通常はそれぞれ年率平均3.0%以上増加)
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに 該当し、2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて 行うこと
【補助上限額・補助率】
通常枠の補助上限額の見直し
最も申請数の多い通常枠ですが、補助上限額として2,000万円枠が新たに加わりました。
上限額を刻むことで補助金の貰いすぎを防ぐ目的のようですね。
【具体的な変更点】
- 限られた政策資源でより多くの事業者を支援するため、通常枠の補助上限額について、 従業員規模に応じ、従来の4,000万円、6,000万円、8000万円から2,000万円、 4,000万円、6,000万円、8,000万円に見直し。
【補助上限額・補助率】
補助対象経費の見直し(建物費・研修費)
建物費・研修費についても予算を無駄なく活用するため、以下のような制限が加わっています。
対象となる経費がある事業者さまは注意しましょう。
【具体的な変更点】
- 「建物費」については、原則、改修の場合に限ることとし、新築の場合には、一定の制限を設ける。
- 「研修費」については、補助対象経費総額の1/3を上限とする。
複数企業等連携型の新設
第6回以降は、複数企業が連携して補助事業を行う場合、1回の申請で済むような方法も採ることができるようになります。
自社だけでは事業規模が小さすぎて申請できない、申請のためのノウハウやマンパワーがない、といった事業者のニーズに応える施策ですね。
【具体的な変更点】
- 1者あたり各申請類型の上限額を上限として、最大20社まで連携して申請することを認めることとし、一体的な審査を行う。
- この場合、売上高10%減少要件は、①各者で要件を満たすこと、②連携体合算で要件を満たすこと(ただし同月を用いる)のいずれかを満たすことで要件を満たすこととする。
事前着手の対象期間の見直し
事業再構築補助金には「申請が承認される前に着手した事業の経費も補助対象として認める」といった事前着手の特例があります。
この対象期間(現在は2021年2月15日以降)の見直しが第6回公募から決定されています。
見直し後の期間は未決定ですが、結果次第では第6回公募以降の補助対象経費として認められない場合もあるため、すでに事前着手を行っている事業者の方は注意が必要です。
【具体的な変更点】
- 事前着手の対象期間を現在の2021年2月15日から見直すこととする。
※既に事前着手を開始している事業者の方は、第6回公募以降は対象経費として認められなくなる場合がありますのでご注意ください。
今後のスケジュール
現在公表されているスケジュールは以下のとおりです。
- 第5回公募
・公募開始は1/20(木)18:00から(済)
・申請受付は2月中旬~3月24日まで(予定) - 第6回公募以降
・2022年4月以降3回程度の公募を実施(予定)
情報更新され次第、当ブログにてお知らせしていきます!
まとめ
本日のまとめ
- 事業再構築補助金の第5回公募の変更点としては基本的に緩和の方針
※新事業売上高10%要件の緩和、農事組合法人の追加、補助対象経費(工場の賃借料)の拡大 - 第6回公募以降は、事業類型や要件等が大幅に変更予定。
緩和だけでなく、制約条件の追加も予定されているため注視が必要。
※参考資料:中小企業庁「事業再構築補助金 令和3年度補正予算の概要(令和3年12月)」「事業再構築補助金:第5回公募における主な見直し項目」
いかがだったでしょうか。今回は、事業再構築補助金の変更点についてポイントを絞って解説しました。
公募にあたっては今回の内容を頭に入れた上で直近の公募要領を読み込むことが重要です。
事業再構築補助金はその名のとおり事業拡大・再構築の大きなチャンスですので、ぜひともチャレンジを検討してみてくださいね!
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