【ものづくり補助金】デジタル枠とは?14次からは不採択→通常枠での審査がなくなっているので要注意!
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)には、DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発などへの支援を目的とした「デジタル枠」という申請枠があります。
2023年1月11日(水)に公募が開始された14次締切からは、この「デジタル枠」の審査ルールに一部変更がありました。
今回は、ものづくり補助金 デジタル枠について、14次からの変更点も含めてご紹介いたします。
目次
ものづくり補助金とは
中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万円~5,000万円、補助率1/2または2/3の補助金です。
具体的には以下の用途に利用することが可能です。
- 新商品(試作品)開発
- 新たな生産方式の導入
- 新役務(サービス)開発
- 新たな提供方式の導入
また、補助対象の経費には以下のようなものがあります。
- 機械装置・システム構築費
- 外注費
- 専門家経費
- クラウドサービス利用費
- 技術導入費
- 知的財産権等関連経費
- 原材料
別の大型補助金である事業再構築補助金と異なり、広告宣伝費や建物費は対象外となっています。
また、メインの補助対象経費は「機械装置・システム構築費」であり、それ以外の経費には上限額が設定されています。
ものづくり補助金 「デジタル枠」とは
「デジタル枠」の概要
ものづくり補助金の「デジタル枠」は、2022年に創設された比較的新しい申請枠です。
「デジタル枠」は、DXに資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援することを目的としています。
従業員数によって補助金額が変動し、補助率は一律で2/3となっています。従業員規模毎の、補助金額は以下の通りです。
従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
5人以下 | 100万円〜750万円 | 2/3 |
6人〜20人 | 100万円〜1,000万円 | 2/3 |
21人以上 | 100万円〜1,250万円 | 2/3 |
「デジタル枠」と「通常枠」の違い
デジタル枠と通常枠には主に以下2点の違いがあります。
通常枠と比べてデジタル枠の方が補助率が高い
以下の通り、デジタル枠では企業規模によらず補助率が一律で2/3となっており、通常枠よりも優遇されています。
【補助率】
- 通常枠:1/2 ※小規模事業者は2/3
- デジタル枠:2/3
「デジタル枠」は要件が多く、「通常枠」よりも申請難易度が高い
デジタル枠では、通常枠の要件に加えて、以下の3要件を満たす必要があります。
デジタル枠単体の採択率は公表されていませんが、申請難易度が高い分、通常枠よりも採択率は高くなることが推察されます。
- (1) 次の①又は②に該当する事業であること。
①DXに資する革新的な製品・サービスの開発(例:AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む)等)
②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善(例:AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等)
※ 単にデジタル製品の導入やアナログ・物理データの電子化にとどまり、既存の業務フローそのものの見直しを伴わないもの、及び導入先企業において前述の単なる電子化にとどまる製品・サービスの開発は該当しません。(例:帳票の電子保存システム・デジタルスキャナ・電子契約書サービス・医療用画像診断機器の導入等、電子書籍・写真等のアルバム・動画編集サービスの開発等) - (2)経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
・DX推進指標サイト:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx.html
・自己診断結果入力サイト:https://www.ipa.go.jp/ikc/info/dxpi.html
※ 自己診断結果の入力にあたり、DX推進ポータルにログインする際は、ものづくり補助金の申請時と同じGビズIDプライムアカウントを使用する必要があります - (3) 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITYACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。
・「SECURITY ACTION」公式サイト(制度概要):https://www.ipa.go.jp/security/security-action/index.html
・「SECURITY ACTION自己宣言」申込みサイト:https://security-shien.ipa.go.jp/security/
※ (2)(3)について、自己診断結果をIPAに対して提出していること及び「SECURITY ACTION」の宣言をおこなっていることが必須の要件となります
診断結果・宣言が提出されていない場合には、デジタル枠では要件不備として不採択となりますので、ご注意ください。
14次締切からは「デジタル枠」の不採択→通常枠での再審査が廃止
ものづくり補助金 13次締切までは、デジタル枠で不採択となった場合、通常枠で再審査されるというルールがありましたが、14次からはなくなっています。
14次締切からは、デジタル枠での申請時も審査は1回のみとなります。
ご参考までに、13次締切までの再審査に関する公募要領の記載部分をご紹介します。
【13次締切時の再審査ルール】
なお、14次締切からは、「大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例」も追加され、要件を満たせば、最大で1,000万円の補助金額が上乗せされます。
詳しくは以下の記事にまとめています。デジタル枠でも活用できますので、ぜひご参考ください。
ものづくり補助金14次 詳細スケジュール
ものづくり補助金14次締切のスケジュールは下記の通りです。
- 公募開始:令和5年 1月 11日(水) 17時~
- 申請受付:令和5年 3月 24日(金) 17時~
- 応募締切:令和5年 4月 19日(水) 17時
- 採択発表:令和5年6月中旬予定
採択発表は、令和5年6月中旬ごろを予定しています。
申請締切は令和5年4月となっていますが、余裕を持ったスケジュールで申請手続きを行うようにしましょう。
なお、前回13次のものづくり補助金で申請を行った方は、採択発表が2月中旬に予定されています。
万が一不採択となってしまった場合、計画書をブラッシュアップして14次で再申請することも可能です。
まとめ
まとめ
ものづくり補助金 「デジタル枠」は、DXに資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援することを目的としている
「デジタル枠」は「通常枠」と比べて以下のような違いがある
- 補助率が一律2/3で、通常枠よりも高い
- 通常枠よりも多くの要件を満たす必要がある
- 申請難易度が高い分、通常枠よりも採択されやすい(と思われる)
14次締切からは「デジタル枠」で不採択の場合の通常枠での再審査ルールが廃止
ものづくり補助金14次のスケジュールは以下の通り
- 公募開始:令和5年 1月 11日(水) 17時~
- 申請受付:令和5年 3月 24日(金) 17時~
- 応募締切:令和5年 4月 19日(水) 17時
- 採択発表:令和5年6月中旬予定
いかがだったでしょうか。今回は、ものづくり補助金 デジタル枠について、14次からの変更点も含めてご紹介しました。14次締切からは「デジタル枠」で不採択の場合の通常枠での再審査ルールが廃止されていますので、確りと認識しておきましょう。
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ものづくり補助金申請時は以下の記事も役に立つかと思います。
ご参考ください。
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