【ものづくり補助金】14次からは賃上誓約書が簡略化?押印は必要なの?

ものづくり補助金 賃上げ誓約書

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)では、申請時に必ず満たさなければならない賃上げの要件があります。

2023年4月19日申請締切の14次からは、この「賃上げ」の宣誓方法に一部変更があり簡略化されました。

今回は、ものづくり補助金の賃上げの要件について、14次からの変更点も含めてご紹介いたします。

ものづくり補助金とは

中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万円~5,000万円、補助率1/2または2/3の補助金です。

具体的には以下の用途に利用することが可能です。

  • 新商品(試作品)開発
  • 新たな生産方式の導入
  • 新役務(サービス)開発
  • 新たな提供方式の導入
(出典)ものづくり・商業・サービス補助金 公募要領 概要版 14次締切分

また、補助対象の経費には以下のようなものがあります。

  • 機械装置・システム構築費
  • 外注費
  • 専門家経費
  • クラウドサービス利用費
  • 技術導入費
  • 知的財産権等関連経費
  • 原材料

別の大型補助金である事業再構築補助金と異なり、広告宣伝費や建物費は対象外となっています。

また、メインの補助対象経費は「機械装置・システム構築費であり、それ以外の経費には上限額が設定されています。

(出典)ものづくり・商業・サービス補助金 公募要領 概要版 14次締切分

ものづくり補助金 「賃上げの要件」とは

ものづくり補助金では、賃上げ要件については、必ず守らないといけない「基本要件」と宣誓すると採択される可能性がUPする「加点要件」があります。

両要件について、内容を確認してみましょう。

基本要件について

必ず守らないといけない基本要件は、以下の①〜③となります。

①全体の付加価値額年率平均3%以上

※:売上・利益が上がる想定で計画作成※別途、数値計画でご確認

②給与総支給額が年率平均1.5%以上

※全員一律ではなく、あくまで全社総額(人員増や役員報酬増でもOK)

③事業場内最低賃金を地域別最低賃金の+30円以上

※事業場とは、補助事業の実施場所

例えば、東京だと、1,072円→1,102円に。

※最低賃金は毎年上がるため、事業計画期間の間、毎年越えていく必要がある

※雇用形態は問わないためアルバイトでもOK。いない場合は、正社員給与÷労働時間

(出所)ものづくり補助金 公募要領(14次締切分)概要版

加点要件について

宣誓すると採択される可能性がUPする「加点要件」は、以下の加点①と加点②があります。

加点①よりも加点②の方が条件が厳しい分、採択可能性も大きく上がります。

基本要件給与支給総額:年率平均1.5%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上の水準
加点①  給与支給総額:年率平均2%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+60円以上の水準
加点②  給与支給総額:年率平均3%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+90円以上の水準
(出所)ものづくり補助金 公募要領(14次締切分)を元に当社作成

(ご参考)地域別最低賃金+30円の考え方について

ご参考に、通常の事業者でも必須の要件である「地域別最低賃金+30円の考え方」についてもご紹介します。
以下図を確認ください。

(出典)中小企業庁「ものづくり・商業・サービス補助金 令和4年度2次補正予算関連」

本要件はあくまで地域別最低賃金を基準に+30円を満たしていれば良い、という考え方となります。

例えば東京都で事業終了年後の最低賃金が1,072円だった場合、事業場内の最低時給が1,102円以上であれば要件を満たします。

計画期間中に地域別最低賃金が改訂され引上げられた場合は、その金額+30円以上となるよう事業場内最低賃金も引き上げる必要があります。

14次締切からの賃上げ誓約書簡略化内容

13次までは紙の賃上げ誓約書に押印し、申請時に添付する必要がありましたが、14次からは簡略化され添付が不要となりました。

これにより賃上げ制約書への押印も不要となりましたので、準備が楽になりました。

また、賃上げ内容については、他の入力内容から自動反映される仕様となっています。

申請直近月(当月又は前月)の事業場内最低賃金の入力が必要ですので、事前に確認しておきましょう。

ものづくり補助金14次 詳細スケジュール

ものづくり補助金14次締切のスケジュールは下記の通りです。

  • 公募開始:令和5年 1月 11日(水) 17時~
  • 申請受付:令和5年 3月 24日(金) 17時~
  • 応募締切:令和5年 4月 19日(水) 17時
  • 採択発表:令和5年6月中旬予定

採択発表は、令和5年6月中旬ごろを予定しています。

まとめ

まとめ

ものづくり補助金 の申請時は賃上げの要件を満たす必要がある

賃上げ要件には、必ず守らないといけない「基本要件」と宣誓すると採択される可能性がUPする「加点要件」がある

  • 基本要件:給与支給総額:年率平均1.5%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+30円以上の水準
  • 加点要件①:給与支給総額:年率平均2%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+60円以上の水準
  • 加点要件②:給与支給総額:年率平均3%以上増加 事業場内最低賃金:地域別最低賃金+90円以上の水準

14次締切からは賃上げ誓約書の添付がなくなり、押印も不要に

申請直近月(当月又は前月)の事業場内最低賃金は入力が必要

ものづくり補助金14次のスケジュールは以下の通り

  • 公募開始:令和5年 1月 11日(水) 17時~
  • 申請受付:令和5年 3月 24日(金) 17時~
  • 応募締切:令和5年 4月 19日(水) 17時
  • 採択発表:令和5年6月中旬予定

いかがだったでしょうか。今回は、ものづくり補助金 の賃上げ要件についてご紹介しました。14次締切からは賃上げ誓約書への押印と添付が廃止されていますので、確りと認識しておきましょう。

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